第815回
オリンピック期間中は家賃5倍!

今、北京ではオリンピックに向けて、
ホテルの新規開業が相次いでいますが、
それでもオリンピック期間中はホテルの需給が
かなり逼迫することが予想されており、
北京の各ホテルの中には今から
「1泊1,000米ドル」とか
「1週間連続でないと泊まらせない」など、
「オリンピックで稼がなかったらいつ稼ぐ!」とばかりに、
売り手市場を最大限に利用するような
条件を付けるところが出てきています。

中国人の友人と話していると
「オリンピックの月は1ヶ月休暇をとって旅行に出て、
自分の家は観光客に貸した方がいいな」
などという話も出てきます。
1泊1,000米ドルなら、1ヶ月で30,000米ドル。
どう考えても、北京に残って1ヶ月働き続けるより、
旅行に出て家を観光客に貸す方が儲かります。

持ち家を持っている人なら、このように
オリンピックを利用して儲けることもできますが、
賃貸で家を借りている人はオリンピックのせいで
軒並み家賃の値上げを迫られているようです。

先日、北京の不動産仲介会社の営業の方が
「オリンピックが北京の高級アパートメントの
家賃相場に与える影響」という
非常に興味深い資料を持ってきてくれました。
同社が市内の高級アパートメント約30社に対し
聞き取り調査を行い、それをまとめたのだそうです。

その資料によれば、北京のほとんどの中国系及び
香港を始めとする華僑系高級アパートメントは、
オリンピックを控えて家賃の値上げを行っているようです。

値上げ幅は数%から20%ぐらいまで。
良心的なアパートメントは
新規入居者に対してのみ値上げをしますが、
その他のところは既に住んでいる人に対しても、
更新時に値上げを要請しているようです。

香港系の有名不動産会社が経営する
あるアパートメントに至っては、
全ての更新者に15%の値上げを要求しているのですが、
契約できるのは2008年6月まで、
2008年7月から9月の3ヶ月は、
家賃をなんと現在の5倍にするのだそうです。
いくら家賃はマーケットの需給で決まるといっても、
こんなことをされては安心して住んでいられません。

オリンピックが終わった後、
5倍の家賃を突きつけられて
そのアパートメントを出て行った人たちは
また戻ってくるのでしょうか。
他人事ながら、ちょっと心配になってしまいました。


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2008年1月4日(金)

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