第818回
中国製鉛入りおもちゃ問題の本質

昨年は塗料に鉛が入った中国製のおもちゃが
アメリカや日本で相次いで発見され、
改めて中国製品の安全性が問題になりました。
子供がおもちゃをなめるなどして、
塗料に含まれた鉛が体内に入ると、
子供の知能を低下させる可能性があるのだそうです。

これに対し各国のメディアは
「中国はけしからん」とか、
「中国製品は危ないのでボイコットせよ」
などという報道をしていますが、
私個人的にはこうした捉え方は
非常に表層的なのではないかと思います。

確かに子供の知能を低下させるかもしれない
危険な製品を輸出する中国はけしからんですが、
この問題の本質は、
中国人の考え方を良く理解していないのに、
何しろコストが安いという理由だけで
中国の下請け工場に生産を委託する
先進国企業の姿勢にあるのではないか、と思います。

アメリカ企業や日本企業が、
中国の下請け工場におもちゃの生産委託をする際には、
当然、鉛フリーの塗料を指定し、
契約書にもその旨が記載されているものと思います。

しかし、多分「そうした条件ならばこの値段ですよ」
と言って工場側が出してきた見積もりを見て、
アメリカ企業や日本企業は
「高すぎる、もっと安くならなければ買わない」
という交渉をして、
値引きさせているのではないかと思います。

これがいけないんです。

中国では、もう既にできあがっている現物の値段は、
交渉をしていくら値切ってもいいですが、
これから作るものの値段を値切ると、
その値段なりのものしか出て来ず、
安物買いの銭失いになる可能性が大きくなります。

値切って出てきたその値段なりのものが、
安い塗料を使ったので色が変だった、
などということならまだかわいいのですが、
今回は安い塗料を使ったら鉛という毒が入っていた、
ということで大騒ぎになっているのです。

中国の下請け工場に生産を委託した先進国企業が
「値切っても品質は契約書通りのものが出てくる」という
先進国の常識がそのまま中国でも通じる
と勘違いしているところに
今回の問題の本質があるのではないでしょうか。


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2008年1月11日(金)

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