第843回
ガンが治る漢方薬

中国医学には西洋医学と違って、
理屈ではわからない部分がたくさんあります。

3000年と言われる中国医学の歴史の中で、
無数の臨床経験を積み重ねていった結果、
「こういう体質の人がこういう病気になった場合は、
理屈はわからないが、なにしろこの薬草とこの薬草を
混ぜて飲ませると治る」という結論に至っているわけです。

たぶん、この結論に至るまでには、
これまた無数の人々が間違った薬草を飲まされて
亡くなっているんだと思います。
中国医学はこうした先人たちの
大きな犠牲の上に成り立っているのです。

このため、西洋医学ではガンの治療のためには、
手術で内臓を切除したり、
抗ガン剤の副作用に苦しんだりしなければなりませんが、
中国医学の世界では飲み薬でガンが治ってしまう、
などということが起こります。

関根さんが喉頭ガンを治された「天仙液」もそうですが、
うちの近所の薬局でも、効能のところに
「防癌(ふぁんあい、ガンの予防)」とか、
「抗癌(かんあい、ガンの治療)」などと書かれた薬が
普通に売っています。

しかし、日本の厚生労働省が「治る理屈がわからない薬は、
なにが起こるかわからないから認可できない」ということで、
多くの漢方薬の日本での販売を認めないため、
毎年、死ななくて良い多くの患者さんが
亡くなっているのではないかと思います。

確かに、「なにかあった場合、責任が取れない」という
厚生労働省の言い分もわかりますし、
なんでもかんでも認可して危険な薬が
市場に出回るような事態は絶対に避けなければいけません。

ただ、お医者さんにさじを投げられたような患者さんの中には、
座して死を待つのではなく、
なにしろできる治療は全てやってから死にたい、
という方も多いかと思います。

関根さんのように自分でいろいろと調べて
「天仙液」を見つけ出したり、
中国に来て治療を受けたりという
知恵とバイタリティーのある方ならよいのですが、
世の中そうした方ばかりではありません。

その薬に関する十分な情報の提供を受けた上で、
「この薬を飲んで死んでも、厚生労働省には文句を言いません」
という念書を一筆入れれば、
中国の漢方薬が日本で自由に買える、というような制度にすれば、
死ななくてよい人が亡くなってしまうケースも
少なくなるのではないでしょうか。


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2008年3月10日(月)

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