第851回
日本人はなぜルールを守るのか?

日本人はなぜこんなに厳格にルールを守るのでしょう。

それは何百年にもわたって続いてきた
日本の農村のムラ社会が、
日本人に「ルールは守れ!」という遺伝子を
植えつけてきたためではないかと思います。

村の掟(ルール)は絶対で、
それを破った人は袋叩きに遭って撲殺されたり、
村を追い出されて餓死したりするので、
ルールを守る遺伝子を持った人は適者生存、
ルールを破る遺伝子を持った人は自然淘汰
されていったのかもしれません。

一方の中国では、
日本の「ムラ」に相当する役割を担っていたのは
「血族」というごく小さな単位でした。
このため「血族」の間の掟(ルール)は絶対ですが、
一歩外に出れば周りは全て敵ですので、
ルールなど守らず食べ物を奪い取って来る
遺伝子を持った人が適者生存し、
ルールを守ってお行儀良く列に並んでいるような
遺伝子を持った人は食べ物にありつけず
自然淘汰されていったのではないでしょうか。

こうした各国国民の性質の差は、
何百年にもわたって積み重ねられてきた
遺伝子レベルの違いですので、
一朝一夕にマネをすることはできません。

現に、日本が工業国として
アメリカより品質の良い製品を作ることができたのも、
アメリカ人が会社のルールより
個人の都合を優先させる人が多いのに対し、
日本人は会社というムラ社会の中で、
1人1人がムラのルールを厳格に
守り続けたためなのではないかと思います。

最近、日本に行くと、
赤信号でも車が来なければ道を渡ってしまう人が、
以前より明らかに増えているような気がします。

多分、本人たちは「たいしたことではない」、
と考えているかもしれませんが、
私には今後、日本人が
他の国の人にはマネのできない付加価値の高いビジネスを興し、
グローバル化する国際社会の中で
生き残っていくための大切な武器を、
自ら捨ててしまっているように見えるのです。


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2008年3月28日(金)

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