第852回
リッツ・カールトン北京のホスピタリティ

先日、北京の高級ホテル
「ザ・リッツ・カールトン北京」のカフェで
コーヒーを飲んだのですが、
そのスタッフのホスピタリティには感動しました。

まず、スタッフの笑顔がニセモノではありません。
「お客様にお越し頂いて心の底からうれしいです」
というような態度で接してくれます。

口では「歓迎光臨(ほあんいんぐぁんりん、
いらっしゃいませ)」と言いながらも、
「店長が言えっていうから言ってるだけであって、
本当はあんたなんか全然歓迎してないのよ!」
という内心が透けて見える、
その辺のレストランのウエイトレスとは大違いです。

そして、私がコーヒーを飲んでいる間も、
常に気を配ってくれており、
水をもらおうと思って顔を上げるだけで、
すぐに用件を訊きに来てくれます。
これも、いくら呼んでも誰も相手にしてくれない
その辺のレストランとは雲泥の差です。

リッツ・カールトンと言えば、
同ホテルの企業理念やスタッフの行動原則を書いた
「クレド」というカードが有名です。
「クレド」はマニュアルではなく、
スタッフ1人1人がケースバイケースで判断して、
お客様に喜んで頂けるようなおもてなしできるように
自分を高めるための心構えが書いてあります。

中国の人たちは身内には優しいですが、
身内以外には厳しい態度をとる人が多いので、
マニュアル通りのサービスを提供するところまではできても、
日本人のような心の底からのおもてなしを
見も知らずのお客さんに提供することは
できないものだと私は思っていました。

しかし、リッツ・カールトンのスタッフの
ホスピタリティを見ていると、
中国の人たちもやればできることがわかります。
これは大変すばらしいことであると同時に、
私たち日本人にとっては、
うかうかしていられないと思わせる事実でもあります。

もしかすると、
中国のリッツ・カールトンの「クレド」には、
「お客様は身内だと思って接しましょう」
という一文が付け加えられているのかもしれません。


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2008年3月31日(月)

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