第882回
時流を追い風にしたビジネスで成功を掴め!

もう一つ、始めてしまうとどんどん苦しくなるビジネスは、
人をたくさん雇わなければならないビジネスです。

いくら中国国内向けのビジネスであっても、
ブルーカラー不足に伴う人件費の高騰により、
付加価値の低い労働集約型ビジネスは
今後、成り立たなくなっていくことが予想されます。

当社の引越子会社・外運華通には
約30名の引越作業員がいますが、
人材確保、及び、人材の流失防止のため、
今年、1人当たり数百元(数千円)の
月給アップを行いました。

1人当たりの月給アップは数千円ですが、
30人もいますので、年間の人件費増加額は、
数百万円になります。
これが何千人もの労働者を抱える工場ならば、
億円単位で人件費が増えていくことになります。

そう言った意味では、
当社が新たな事業の柱に育てるべく始めた倉庫事業は、
引越事業よりもずっと少人数で
同等の利益を稼ぐことができますので、
時流に合った事業である、と言うことができます。

こうして見ていくと、今、中国で始めてはいけない仕事は
「たくさんの従業員を雇って付加価値の低い製品を作り、
それを輸出して外貨を受け取る仕事」ということになりそうです。

これはまさに、中国が「世界の工場」と呼ばれていた時代に
我が世の春を謳歌した労働集約型輸出産業がやってきたことです。
こうしたビジネスモデルは、中国経済の急激な変化によって
時代遅れのものとなりつつあるのです。

逆に、これから中国で起業をする場合は、この逆、つまり
「少数の従業員で付加価値の高いモノやサービスを提供し、
それを中国国内で販売して人民元を受け取る仕事」
をすれば成功する確率は高まる、ということです。

いくら景気の良い中国で起業をしても、
時流に逆らうようなことを始めてしまっては、
成功は覚束ないですし、
仕事がどんどん苦しくなるばかりで、
進軍ラッパを吹きながらどんどん攻めていくような、
楽しい仕事はできません。

これから中国で起業される方は、
時流を追い風にできるようなビジネスを始めて、
ぜひ、中国での成功を掴んで頂きたいと思います。


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2008年6月9日(月)

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