第884回
中国起業は汚職の少ない都会で

郷長の薦めで車で30分もかけて通州まで
ご接待をしに行くことなったのですが、
郷長行き付けのお店は予想通りというか、案の定というか、
水槽の中で鯛や平目が舞い踊る高級海鮮料理の店でした。

郷長は店に入るなり水槽のところまで行って、
龍蝦(ろんしゃー、ロブスター)など
高級食材を勝手にどんどんオーダーしていきます。
その結果、お会計は普通の中華料理屋で食べる
10倍以上のお値段になってしまいました。

ま、これで郷長から営業妨害やいやがらせを
受けないで済むと思えば安いものなのですが、
今回驚いたのは、北京の、
それも北京の経済の中心地である朝陽区でも、
ちょっと田舎に行くと、
元ヤクザが首長になって地元を仕切っている、
という事実です。

中国では田舎に行けば行くほど汚職が激しく、
政府の役人、警察署長、学校の校長、
ヤクザ、国有企業の幹部、私営企業のオーナー社長などが
みんなでグルになって、
一般庶民から搾取して甘い汁を吸う、
というケースが多いようです。

今回の当社の場合は、
倉庫事業という仕事の性質上、
北京市内でも郊外に空き工場を借りなければ
なりませんでした。
しかし、これから中国で起業する方は、
いくら地元の人民政府から優遇策を提示されても、
いくら中国人の友達の故郷であっても、
まともな商売をしたかったら、
北京や上海など、汚職の少ない
大都市の都市部で仕事をすることです。

そして万一、
政府の役人がいろいろとちょっかいを出してきても、
絶対に逆らわないこと、
そして、絶対に役人を敵に回さないことが、
中国起業の成功には不可欠であると思います。


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2008年6月13日(金)

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