第905回
中国株、絶好の買い時到来か?

中国株の下落が止まりません。
昨年10月に6500ポイント近くまで上昇した上海総合指数は
2800ポイント前後と半分以下になっています。

昨年の株式投資ブームの時に投資した人は、
大損を出して全ての株を売り払って
「もう二度と株には手を出さない」と思っているか、
巨額の含み損が出ているので売るにも売れずに塩漬けにして、
なるべく保有株の株価は見ないようにしているか、
のどちらかのようですが、
どちらにしても昨年のように一緒に食事をしていると
株式投資の話ばかりしているような人は
いなくなってしまいました。

昔からよく
「靴磨きの少年に株を奨められたら全部売れ!」
と言われますが、今回私が学んだ教訓は
「中国人の友達が食事の時に
株の話をし始めたら中国株は全部売れ!」です。
歴史は繰り返す、ですなぁ。

中国の株式市場は企業業績とは関係なく、
株と名の付くものならば
何でもやたらと買いまくる投資初心者の退場により
バブルがしぼみ、より成熟した株式市場に
生まれ変わろうとしているものと思われます。

一方の香港H株指数も
A株の下落に引きずられるような形で下落を続け、
昨年10月に20000ポイントを超えた株価は
12000ポイント前後まで落ち込んでいます。

しかし、多くの中国企業の業績は絶好調で、
将来的にも好調が続くことが予想されています。
そんな状態で株価だけがどんどん下がっていますので、
PERが10%以下だったり、配当利回りが4-5%あったりと、
おいしそうな銘柄がごろごろと転がっているのが現状です。

数年後に振り返ってみれば、
2008年は中国株の絶好の買い時だった、
ということになるかもしれません。

先日、HSBCの資産管理部門株式投資責任者、
リチャード・ウォン氏が
「北京オリンピック後、中国株は急落が見込まれる」
との見通しを明らかにしました。

これだけ中国企業の業績が良いのに、
更に株価が落ち込むなどということはあるのか、
とも思いましたが、同氏が
「市場がそう考えるならそうなるだろう」
と言っているのを読んで、妙に納得してしまいました。

株式市場は所詮美人コンテストに過ぎませんので、
いくら美人が揃っていてもみんなが「全員ブスだ!」と言えば、
誰にも票が入らないんですね。

マーケットの雰囲気と実際の企業業績の差。
この辺に中国株で儲ける秘訣が隠されているのかもしれません。


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2008年8月1日(金)

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