第977回
中国では通用しないクレジットカードのビジネスモデル

中国で加盟店を急速に増やしているVISAカードですが、
「歓迎使用VISAカード」のマークを
店頭に掲げているお店でも、
100%VISAカードが使えるとは限りません。

私もVISAカードを持っているのですが、
今まで中国で使おうとして何度断られたかわかりません。
「今はカードの機械が壊れてます」、
「インターナショナルカードは使えません」、
「銀聯カードなら大丈夫ですが」などなど。
「VISAカードで払うならば代金に
5%の手数料を上乗せさせて頂きます」という店もあります。

どうも店側は支払いにVISAカードを使われてしまうと
3-5%の手数料を取られる上に、
決済が1ヵ月後になってしまうので、
見え透いたウソをついて
私が「じゃ、現金で払います」と言うのを
待っているようなのです。

また、銀聯カードはデビットカードであるため、
手数料が1%前後と安く、更に決済も早いので、
「現金の手持ちが少ないからカードで払いたい」と言うと
銀聯カードの使用を強く勧められることもあります。

クレジットカードのビジネスモデルは、
加盟店側がカード利用者の集客ができる
というメリットを享受する一方で、
加盟店はカード利用者の消費に対して
3-5%の手数料をカード会社に支払う、
ということで成り立っています。

しかし、一部の中国の加盟店は、
集客のメリットのみを享受しておいて、
いざお客が店に来たら、
極力クレジットカードを使わせないことで
手数料の支払いを少なくし、
代金の回収も早めようとします。

世界中で通用するクレジットカードのビジネスモデルも、
何でもアリのここ中国では一部で崩壊の危機を迎えています。
まさに恐るべし中国、です。


←前回記事へ

2009年1月14日(水)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ