第978回
中国とうまくやっていくためには

一衣帯水、そして
世界第2と第3位の経済大国である日本と中国。

今後、この両国がうまくやっていくことは、
どちらの国にとっても自国の国益に適う、
というのは誰の目にも明らかなことです。

しかし、一時期より良くなったとは言え、
日中関係が根本的に改善したとは言い難く、
何かちょっとしたきっかけがあれば
両国で反日感情、嫌中感情が燃え上がる
という基本的な構図に変わりはありません。

では、今後日本が中国とうまくやっていくためには
どうしたら良いのでしょうか?
「日中友好」を更に推し進める?
否。
私は逆説的ですが
「いつ中国と断交しても良い状態にする」
ことだと思っています。

私は中国で12年間仕事をしてきましたが、
ここで学んだのは商売には2種類ある、ということです。

即ち、身内である「自己人(つーちーれん)」を相手に行う
損得度外視の「心の商売」と、
身内以外の「外人(わいれん)」を相手に行う、
立場の強い方の意見が何でも通る「力の商売」です。

商売の大部分を占める「力の商売」における交渉は、
どちらの立場がどれぐらい強いか、
ということで双方が共通認識を得る場であり、
どちらかが自分の方が立場が上だと勘違いしている場合、
「それは勘違いですよ」ということを教えてあげる場です。

このため「力の商売」の交渉は、
交渉術とかそういった小手先の戦術とは関係なく、
勝負は交渉に入る前から既に決まっています。

最終的には「この交渉が決裂したらどちらが困るんですか」
と言える方の意見が通るわけであり、
中国企業の日々の仕事の大部分は、
いかにこの決めゼリフを言える立場に立つかに費やされます。

国と国との関係は正にこの「力の商売」の関係であり、
相手国に依存すればするほど立場が弱くなります。
日本は中国企業の人たちのように
「断交したらどちらが困るんですか」
という決めゼリフを中国に対して言えるように、
国家予算を費やしてでも
中国への依存度を下げる必要があるのです。


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2009年1月16日(金)

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