第1005回
「日本人の良さ」は何ですか?

日本が豊かな国であり続け、
更に進む高齢化社会に対応していくためには、
国内の経済構造の劇的な高付加価値化が
必要であると思われます。

ただ、先日お話したように、
中国も高齢化社会に備えて
経済構造の高付加価値化を進めています。
今までは「高付加価値品=日本、低付加価値品=中国」
という棲み分けができていましたが、
今後は日本と中国が
高付加価値品のマーケットで競合するという、
いわゆる「キャラがかぶる」状態が
頻発することが予想されます。

キャラがかぶった場合、
コスト競争力の勝負では日本に勝ち目はありません。
そこで、日本は今までより更に付加価値の高い
製品やサービスを開発しなければならないのですが、
そうした製品やサービスも、
すぐにマネをされて同じものを
より安い値段で売り出されてしまいます。

中国企業はクリエイティビティ(創造力)という点では
日本企業の遠く足下にも及びませんが、
同じものをより安く提供して、
価格競争の消耗戦に持ち込むことに関しては
天才的な能力を持っているのです。

では中国と「キャラがかぶる」状態を避けるためには
日本はどうすれば良いのか。

そのためには、私が毎日北京で頭を悩ませている
「いかに中国の人たちにマネのできないことをするか」
というテーマを、日本国民全員が
必死になって考える必要があるのではないかと思います。

そして、そう考えていくと行き当たるのはたぶん、
日本人特有の性質である
「サービス精神」、「完璧主義」、「生真面目さ」等を
いかにうまくビジネスにつなげるか、
というところなのではないでしょうか。

日本がグローバルマーケットで勝ち残り、
豊かな国であり続けるためには、
他の国の人にはマネのできない「日本人の良さ」を
もう一度洗い直すところから
始めるべきなのではないか、と私は思います。


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2009年3月20日(金)

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