第1024回
引越代金未収金200万元!

中国企業の金払いは
以前に比べれば随分良くなってきたとは言え、
まだまだ約束の期日通りに
代金を払ってくれない会社はたくさんあります。

当社の欧米人向けの海外引越業務の
最大の顧客であった欧米系の大手引越会社も、
資本は欧米系でも経営陣は全員中国人ですので、
当社に対する引越代金の支払いが滞っていました。

経理部門がだらしなくて支払いを忘れていたとか、
何かトラブルなどの理由があって支払いを止めているとか、
そういったことならある程度の支払い遅延は仕方がありません。
しかし、同社の場合100万元(1450万円)以上と、
どう考えても会社ぐるみで
意図的に支払いを遅らせているとしか思えない金額まで
売掛金が膨らみましたので、
裁判に訴えることも辞さない決意で
同社の経営者と話し合いをした結果、
返済計画に従って過去の引越代金を
少しずつ支払ってもらうことで合意に至りました。

しかしその後、案の定、同社からの発注量は激減し、
現在ではほぼゼロになってしまいました。
たぶん同社は、支払いを遅らせても
文句を言わない会社に乗り換えたのでしょう。

この会社はちょっと度が過ぎていましたので、
今回こうした強硬措置を取った結果、
縁が切れてしまったのですが、
他の会社が金払いが良いかというとそんなことは全くなく、
先日、支払い期限を過ぎている売掛金をチェックしたところ、
全部で200万元(2900万円)を上回っていました。
当社のような中小企業にとっては、
毎月の資金繰りをしていくに当たって、
決して無視できる金額ではありません。

支払いを遅らせているお客さんの中には、
どこの国とは言いませんが某国の大使館も含まれており、
私の中では同国のイメージガタ落ちです。
外国の大使館でも支払い担当者を中国人に任せると、
金払いの悪さは中国企業と同じになってしまうのです。

その点、日系企業は支払い担当者が中国人でも
期日通りにきちんと代金を支払ってくれます。
これは日系企業が支払いを中国人任せにせず、
日本人駐在員がきちんと管理しているからでしょう。
些細なことではありますが、
これだけのことでもその企業の中国での評判は、
とても良いものになるのではないかと思います。

高い派遣コストで諸悪の根源のように言われる
日系企業の日本人駐在員。
しかし、「現地人丸投げ主義」の欧米系企業が
こうした細かいところで評判を落とす中、
彼らは中国においても日本企業の価値観を守り、
日系企業の良い評判を保つ
重要な役割を担っているのではないかと思います。


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2009年5月4日(月)

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