第1036回
左折渋滞に見る中国人リスク・リターン・マトリックス

私は仕事が終わるといつもタクシーで帰宅しています。

渋滞がなければ会社から自宅まで
5分ほどで着いてしまうのですが、
途中の燕莎橋(いぇんしゃーちゃお)の左折が
いつも大渋滞しており、
ひどいときには10分以上渋滞につかまってしまいます。

大渋滞の原因は1車線しかない左折車線です。
燕莎橋は高架になっていますので、
東三環路を直進する車両は普通はその高架の上を通ります。
このため橋の下の交差点を利用するのは
明らかに左折、右折車両が多く、
直進車両はほとんどないのですが、
燕莎橋の交差点は
そのほとんどない直進車両のために3車線が割かれており、
大量の左折車両には1車線しか割り当てられていません。
明らかに実情を全く把握していない公安局の
人為的なミスによって引き起こされている渋滞です。

この渋滞に対する各ドライバーの対処の仕方を見ていると、
横軸をリスク、縦軸をリターンとした
リスク・リターン・マトリックスを描いて、
中国の人たちの行動を
4種類に分類することができます。

まず1番愚かな行動は、公安局に行って
この明らかにおかしい車線割りを改善して欲しい、
と請願に行くことです。
請願が聞き入れられる可能性は限りなくゼロに近いですし、
へたをすれば身分証のコピーを取られて、
要注意人物としてマークされてしまうかもしれません。
この行動はマトリックスの右下、
「ハイリスク・ローリターン」に属します。

中国では社会の仕組みがいくらおかしくても
「おかしな社会の仕組みを変えよう」
と考えるのは愚か者であり、
「おかしな社会の仕組みの中で、
最もうまく立ち回るにはどうしたら良いか」
と考える人の方が賢いとされます。

それ故、中国は「上に政策あれば、下に対策あり」の国
と呼ばれているわけですが、
この国では「下」が「上」の政策を変えようとする行動は
どう考えても合理的ではありません。

中国で幸せな人生を送りたかったら、
「下」はうまく立ち回って
「上」のおかしな政策の網の目をくぐり抜けるか、
もしくは、がんばって「下」から「上」に昇格して
おかしな政策を作る側に回るしかないのです。


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2009年6月1日(月)

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