第1051回
なぜ中国の人たちは信号を守らないのか

中国の人たちは基本的に、
赤信号でも車が来なければ道を渡ります。

車が通っていなくても赤信号を守る日本人のビデオを見せて
「日本人を見習いなさい」と教育しても、
大きな交差点に配置された交通安全指導員が
赤信号を無視して道を渡ろうとする人を怒鳴りつけても、
信号を無視する人は一向に減りません。

なぜ中国の人たちは信号を守らないのか。

それは中国の人たちが
「信号を無視してでも道の向こう側に渡りたい」
という本能を持っているからである、
と私は思っています。

これは私が勝手に
「並ばない遺伝子」と呼んでいるものです。
昔から政情が不安定な状態が続いた中国では
身内以外の外の世界では、
列に並んだり、赤信号で止まったりしている
いわゆるお行儀の良い人は
食べ物にありつけず死に絶えてしまったのではないでしょうか。
そして、ルールや倫理を無視して、
何しろ人を押し退けてでも食べ物を掴み取る
「並ばない遺伝子」を持った人たちだけが
代々生き残ったため、
現代の中国の人たちもそうした遺伝子による
本能を持っているのではないでしょうか。

一方の日本では、
厳しい掟によって運営されているムラ社会の中で、
ルールや倫理を無視した行動を取る人は、
文字通り「村八分」にされて他の村民から袋叩きに遭ったり、
ムラの外に追放されて飢え死にしたりして死に絶え、
ムラの掟を忠実に守る遺伝子、
言ってみれば「並ぶ遺伝子」を持った人たちだけが
生き残ったのではないかと私は思っています。

では、「並ばない遺伝子」を持った中国の人たちに
信号を守ってもらうにはどうしたら良いのでしょうか。

それは理性で「並ばない遺伝子」の働きを
抑えてもらうことしかないのではないかと思います。
そして、中国の人たちの理性に最も訴えかけられるものは、
「中国人としての誇り」なのではないかと思います。

全中国のありとあらゆる交差点で
「偉大なる中華民族一員として、
世界に誇れるマナーを身に付けましょう」
という高い自尊心をくすぐるようなキャンペーンを行えば、
中国人の信号無視は激減するのではないでしょうか。


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2009年7月6日(月)

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