第1076回
中国ビジネスに「今更遅すぎる」はない

私が1996年に北京に住み始めてから
もうすぐ13年半になります。
今までの人生の1/3近くを
北京で過ごしてきた計算になりますので、
北京は私の第二の故郷になりつつあります。

北京に住む日本人は
そのほとんどが日本企業の駐在員ですので、
3年から5年ぐらい経つと
みなさん日本に帰国してしまいます。
このため、私のように10年以上
北京に住んでいる日本人は非常に少ないのが現状です。

13年も北京に住んでいれば、
中国のことは何でも知っていると
思われるかもしれませんが、
時代の流れが非常に速い今の中国においては、
昔のことを知っていても
何の役にも立たないことが多いです。

この「中国ビジネスのススメ」の記念すべき第1回は、
私がスターバックスでおつりを
投げ返されて憤慨するところから始まります。
しかし、7年後の現在、
日本のサービスレベルにはまだまだ遠く及ばないものの、
少なくとも北京でモノを買ったり、食事をしたりして、
おつりを投げ返されることは全くなくなりました。

また、逆に昔のことを知っているばかりに、
判断を見誤る可能性もあります。

私は日本のラーメンは
中国では受け入れられないと思っていました。
なぜなら、ラーメンは中国では主食に属し、
肉料理や野菜料理を食べた後の
お腹のすきまを埋めるためだけのランクの低い食べ物であり、
中国の人たちは
「ラーメンだけの食事なんてあまりにも寂しすぎる」
と感じるのではないかと思ったからです。

しかし、今では北京の街の至るところに
日式のラーメン屋ができ、
たくさんの中国の人たちが
ラーメンだけの食事を楽しんでいます。

他にも
「店頭で動作確認をする習慣がある中国で、
ネットショッピングは普及しない」とか、
「甘くない飲み物には価値を認めない中国の人たちに、
無糖のウーロン茶飲料は受け入れられない」
などという私の予想はことごとくはずれました。
時代の流れが速い中国では、
人々の考え方もどんどん変わっていくのです。

中国でビジネスをするに当たっては、
13年住んでいる私も、昨日日本から来た人も、
「今現在の中国のマーケットを
正確に捉えなければならない」という点では
スタートラインは同じです。
そう言った意味では、中国ビジネスに
「今更遅すぎる」ということはないのです。


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2009年9月2日(水)

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