第1129回
新規事業の立ち上げに立て続けに失敗

今年2010年は中国にとっては、上海万博もあり、
経済的にも力強く復活する年になりそうですが、
当社にとっては正念場の年となりそうです。

というのは、当社はここのところ
立て続けに新規事業の立ち上げに失敗しており、
今までコツコツと積み上げた儲けを
吐き出し続けるような状況になっているからです。

まず、2008年5月に始めた倉庫事業。

元々当社は倉庫事業など始めるつもりはなく、
引越子会社の外運華通が借りていた
800平方メートルの倉庫が
引越事業の拡大により手狭になったため、
もっと広い倉庫に移転するべく
空き倉庫を探していただけでした。

しかし、空き倉庫はなかなか見つからず、わかったのは
「今の北京には倉庫が圧倒的に足りない」ということでした。
そこで当社は発想を180度転換し、
「そんなに倉庫が足りないなら、
倉庫を作って貸す側に回ろう」と考えました。
そして、今までの10倍以上となる
8300平方メートルの空き工場を見つけて倉庫に改造し、
1500平方メートルを自社で使うとともに、
残りの6800平方メートルを
商業用倉庫として貸し出すことにしたのです。

倉庫への改造を終え、倉庫事業をスタートさせると、
狭い業界のためか、たいした広告もしていないにも関わらず、
結構な数の問い合わせが来るようになりました。
中には「6800平方メートル、全て借り受けたい」
と言ってくれる会社もあり、
倉庫に対する需要の強さを再確認することになるのですが、
問題はその賃貸価格でした。

問い合わせはたくさん来て価格交渉になるのですが、
ほとんどのお客さんが納得する賃貸価格は
当社の損益分岐点を下回っており、
貸しても赤字が出てしまいます。
売り手市場なのだから、と強気で交渉するのですが、
利益が出るような値段を提示すると
すぐに逃げられてしまいます。

結局、当社に問い合わせをしてくるのは、
既に倉庫を確保しているのですが、
より安い倉庫を求めてマーケットを徘徊しているような
荷主だけだったのです。


←前回記事へ

2010年1月4日(月)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ