第1133回
カネのかからない広告

VIP引越の普及活動を始めた当社ですが、
問題は「いかに当社のサービスを求めている方々に
我々のサービスの存在を知って頂くか」ということです。

これだけ金持ちが増えた北京ですから、
いいかげんな扱いで壊されたくない
高級家具や電化製品を持っている人や、
仕事が忙しくて自分で引越の梱包や荷解きを
していられない人は必ずいるはずです。

更に、今北京では、東京の環状七号線と八号線に当たる、
四環路と五環路の間に販売価格が
200万元(2,600万円)以上するマンションが続々と建てられ、
建て終わる前に完売するという状態が続いています。
それだけ大量の高級マンションが売れれば、
当然、そこに引越する人も出てくるはずですが、
200万元のマンションを買った人が、
引越に関してだけは全て自分で梱包したり荷解きしたりして
200元(2,600円)で済ませる、
という姿はどう考えても不自然です。
「数千元(数万円)払っても、
安心で良質なサービスを受けたい」という人は
必ずいるのではないかと思います。

しかし、需要は必ずあるのだとしても、
当社のような資金力のない零細企業が
当社のサービスを求めているお客様に
サービスの存在を知って頂くための
広告に投入できるおカネは限られています。
更に、中国の広告費はその物価水準と比べると
不当と思えるぐらい高く、
北京の地元新聞でも
読者の目に留まるような大きさの広告を打とうとすると、
1日当たり数万元(数十万円)の費用が
かかってしまいます。

そこで私がまず考えたのは、
零細企業のカネのかからない広告の基本、
パブリシティです。

パブリシティとは新製品や新しいサービスを発売した企業が、
新聞やテレビなどのメディアにプレスリリースを送り、
メディア側がおもしろいと思ってくれれば、
記事にしたり、番組で取り上げてもらえたりする、
というものです。

取り上げてもらえるかどうかは
メディア側の裁量に委ねられているのですが、
取り上げられれば全く無料で、
それも広告とは違って客観的な報道として
読者や視聴者に伝えられますので、
ものすごい広告効果があると言われています。
日本でもメディアに取り上げられたことがきっかけで
大ブレークした中小企業がたくさんあると聞いています。

そこで当社も早速、北京の新聞社やテレビ局に、
「VIP引越サービス提供開始」の
ブレスリリースを送りました。

しかし、反応は全くなし。

その後いろいろと調べてみると、
どうも中国ではパブリシティもカネ次第だということが
わかってきたのです。


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2010年1月13日(水)

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