第1145回
検索サイトは社会の公器ではない

1月20日の第1136回、「カネで買える検索サイト上位表示」、
でもお話したように、現在、当社では、
VIP引越の「カネのかからない広告」の一環として、
SEO(検索エンジン最適化)を行っています。

その後、当社のVIP引越のサイトは
SEOの会社の地道な努力もあり、
「北京 搬家(北京 引越)」のキーワードで
3ページ目、2ページ目と
徐々に表示順位を上げてきました。

そして、ある日、ついに某検索サイトで、
1ページ目に表示されるようになったのです。

1ページ目に表示されるのと、
2ページ目以下では広告効果は雲泥の差です。
私自身、検索結果はほとんど1ページ目しか見ませんので、
数ヶ月のガマンの末に、当社のサイトが
1ページ目に表示されるようになったのを見て、
本当にうれしく思いました。

しかし、そんな喜びも束の間、
その翌日には当社のVIP引越のサイトは
同検索サイトの検索結果から忽然と姿を消し、
10ページ目まで探しても
表示されないようになってしまいました。

そして、その日以降、同検索サイトの複数の営業マンから、
「検索連動型広告を載せないか」というセールスの電話が
1日に何本もかかって来るようになったのです。
どうもこの検索サイトは、
SEOで表示順位が上がってきたサイトを見つけると、
検索結果を操作して検索しても表示されないようにし、
狙い撃ちでその会社に自社の検索連動型広告のセールスをかける、
というやり方で業績を伸ばしているようです。

この事態についてSEOの会社に電話で問い合わせたところ
「この検索サイトはよくこういうことをするんですよ。
またゼロからやり直しです」とうんざりした声が返ってきました。
SEOの会社は当社から前払いで
契約額の60%を受け取っていますが、
残りの40%は成功報酬、という契約になっており、
当社のサイトが検索結果の上位10位以内に表示されなければ
残りのおカネを払ってもらえないのです。

私は当初、この検索サイトのやり方に
強い憤りを感じていたのですが、
その後「検索サイトは社会の公器ではない」
という事実に気付きました。

検索サイトはあまりにも日常的に
利用させてもらっていますので、
無料の公園を利用しているような気分でいましたが、
実際にはオーナーがいる私有地で、
「おまえはカネを払わないから出て行け!」
と言われれば出て行かざるを得ない場所だったのです。

SEOの会社には引き続き
またゼロからこの検索サイトの表示順位を上げる
作業をしてもらっていますが、
次はオーナーに見つかって
「出て行け!」と言われないように、
こっそりと順位を上げるようにお願いしています。


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2010年2月10日(水)

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