第1154回
「淘宝網」で日本製品を売ろう!

大変僭越ながら、
邱先生と私の共通点を挙げるとすれば、
それは、なにか良いアイデアを思いつくと、
すぐに実際に試してみないと気が済まないところです。

今回も「もしかしたら、中国のネット販売は
おしりに根っこが生えた日本人を救う
救世主になるかもしれない」と思い始めたら、
いてもたってもいられなくなり、
実際にネット上に自分の店を開いてみることにしました。

まずは、開店する場所です。

私が開店する場所に選んだのは、
アリババが運営している
個人や個人商店が消費者に直接販売する、
いわゆるC to Cのネット販売サイト
「淘宝網(たおばおわん)」です。
この「淘宝網」、中国のC to Cのネット販売サイトの中では、
83%という圧倒的なシェアを誇っています。

中国のインターネット人口は
2009年11月末の時点で3億6000万人。
内、1/4がネットショッピングを経験済みとのことですので、
中国全体のネット販売のマーケットは9000万人となります。
そして、中国のネット販売の中で
C to Cの取り引きが占める割合は87%であり、
そのC to Cの83%を「淘宝網」が占めている、ということは、
ざくっと言って9000万人×87%×83%=6500万人。
計算上は「淘宝網」は6500万人のマーケットを持っている、
ということになります。
この数字を見るだけでも、
なんだか爆発的に売れそうな気がしてきます。

次に、何を売るか。

「日本人を救う救世主になるかもしれない」
という今回の目的から考えると、
日本からモノを持ってきて売ることになるのですが、
日本から持ってくるには当然、輸送費がかかりますので、
なるべく軽くて小さくて価値が高いものでないと、
輸送費がかさんでとんでもない値段になってしまいます。

「淘宝網」のお店は所在地を明示しなければならないのですが、
中には日本人が開いたと思われる
「所在地区:海外日本」というお店も既に存在します。
しかし、よく見ると、30元(390円)の商品を売っているのに、
郵便局の国際宅配便・EMSを利用した輸送費が
85元(1,105円)という、
もうちょっと消費者の心理を考えた方が良いのではないか、
と思わせるお店もあります。
少なくとも私は、いくら日本のモノが欲しくても、
30元のものを買うのに3倍近い輸送費を払って
日本から取り寄せたいとは思いません。

軽くて小さくて価値が高いもの...。

こう考えて私の頭に真っ先に浮かんだのは
ダイヤモンドなのですが、
いくらネット販売が流行っているといっても、
さすがに現物も見ないで数万元(数十万円)のダイヤモンドを
「淘宝網」で買う人はいないだろう、と思い直し、
数百元(数千円)で売れる、
人工ダイヤモンド・キュービック・ジルコニアを使った
アクセサリーを売ってみることにしました。


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2010年3月3日(水)

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