第1156回
「淘宝網」の出店者を相手に商売をする人たち

「淘宝網」でアクセサリーのお店を開店してから数日後、
「淘宝網」から「お客様からメッセージが届いています」
というメールが入りました。

「おおっ!ついに売れたかっ!」と思いきや、
メッセージの中身を見ると
「社長!儲かってまっか?あかんようなら
うちで売れるようにコンサルしますけど、
どうでっか?(意訳、原文は中国語)」
という売り込みのメールでした。

こうしたメッセージはその後、毎日のように送られてきて、
うっとうしいことこの上ありません。
「淘宝網」は既に、
ネットショッピングをする人を狙って出店者が殺到し、
殺到した出店者を狙ってコンサル会社が殺到する、という、
多層的に成熟した1つの産業になりつつあるようです。

そして、それは日本人の世界でも
同じことが行われているようです。

日本の検索サイトを使って「淘宝網」で検索すると、
「「淘宝網」での出店をサポートします」
というサイトがたくさん出てきます。
あるサイトを見ると、
私がコストゼロ、
時間的にもほんの数時間で立ち上げた
「淘宝網」での出店作業に
10万円という値段が付いていました。

これを見た私の頭の中には、
地元の銀行や商工会議所が開いた
「中国ビジネスセミナー」で
「「淘宝網」はすごい!」という講演があり、
「うちも中国マーケットに打って出なければ...」
と考えた地方の中小企業が、
ネットで調べて見つけた出店業者に
10万円払って出店したが、
半年経っても1年経っても商品が1つも売れない、
というイメージが浮かんでしまいました。
儲かるのはコストゼロの簡単な作業で
10万円をせしめた出店業者だけなのです。

「淘宝網」で毎日、ものすごい量のネット販売が
行われているのは事実ですが、
私のアクセサリーショップの失敗からもわかる通り、
店を出せば翌日から商品が飛ぶように売れていく、
などということは絶対に起こりません。

もし、「「淘宝網」での出店をサポートします」
という業者が言い寄ってきたら、
「出店はタダでやってくれ。
もし、売れたら利益を折半しよう」
と提案してみてください。
その答えで、その会社がみなさんをカモと見ているか、
パートナーと見ているかがわかるのではないでしょうか。


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2010年3月8日(月)

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