第1165回
ネットショッピングが中国にもたらす変化

私、最近、ネットショッピングにはまっています。

私はC to Cのネット販売サイト「淘宝網」に
アクセサリーのお店を開いたのですが、
その際に業界調査の目的でネットショッピングをしてみたら、
これが思いのほか簡単、快適で、
今までは、何か必要なものがあると
外に買いに行っていたのですが、
今では、まずは「淘宝網」で検索してみることが
習慣となりつつあります。

「淘宝網」の良いところは、
アクセサリーだけでも中国全土から
1000万点以上が出品されていることからもわかる通り、
競争が激甚を極めているところです。
このため、値下げ競争が行き着くところまで
行き着いてしまっており、
同じ商品でも北京の近所の実店舗で買うよりも、
ほぼ確実に安い買い物ができます。

また、ネットショッピングは
買い物の時間を大幅に節約できるところも、
私は大変気に入っています。

実店舗でモノを買おうとすると、
当然のことながらそのお店まで時間をかけて
行かなくてはいけません。
しかし、ネットショッピングならば、
欲しい商品を検索して、比較して、
支払いを済ませるまで10分とかかりません。
どんなに遠くにあるお店の商品を買っても、
3-4日もすれば商品が届きますので、
「どうしても今すぐ欲しい」というものでなければ、
買い物に費やす時間をかなり節約することができます。

「淘宝網」に開いた私のアクセサリーショップは
相変わらずの開店休業状態で収入はゼロですが、
買い物の方は、もう既にいくら支払ったかわからないぐらい
おカネを費やしています。
「淘宝網」を使って一儲けしてやろうと出店した私ですが、
逆にまんまと「淘宝網」の術中にはまり、
ミイラ取りがミイラになりつつあります。

今までの中国は、昔の社会主義国家時代のなごりか、
モノを売る人が「売ってやってもいいよ」という
高飛車な態度を取ることがままありました。
このため、私は
日本が「消費者天国、労働者地獄」であるのに対し、
中国は「労働者天国、消費者地獄」であると思ってきました。

しかし、ネットショッピングの普及で、
競争がごく狭い範囲の地元から中国全土に広がったことにより、
北京の実店舗でモノを売っている人たちも、
この競争から逃れることができなくなってきました。
今までのような「売ってやってもいいよ」という態度では、
お客さんはみんなネットショッピングに逃げてしまい、
誰もわざわざ買いに来てくれなくなってしまうでしょう。

中国のネットショッピングの発展による競争の激化は、
今後、中国を日本のような
「消費者天国、労働者地獄」の国に変えていく
起爆剤になるのではないか、と私は思います。


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2010年3月29日(月)

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