第1169回
ネット店舗の接客を可能にするアリワンワン

先日、私の「淘宝網」でのアクセサリーショップ運営を
手伝ってくれている当社の中国人スタッフが
「柳田さん、アリワンワンをダウンロードしてください」
と言ってきました。

アリワンワン?何それ?

彼女によれば、「阿里旺旺(アリワンワン)」は
「淘宝網」の親会社「阿里巴巴(アリババ)」が運営している
インスタントメッセンジャーサービスで、
テンセントのQQやマイクロソフトのMSN同様、
インターネットを通じたリアルタイムの
コミュニケーションを実現するサービスなのだそうです。

阿里巴巴グループは、「阿里旺旺」の他にも、
広告マッチングサイトの「阿里媽媽(アリママ)」、
ビジネス支援ソフトを提供する「阿里軟件(アリソフト)」、
ネット取引のエスクローサービスを提供する
「支付宝(アリペイ)」など、子会社やサービスの頭に
「アリ」を付けるのが好きなようです。

では、なぜ私がそのアリワンワンを
ダウンロードしなければならないのか。

それは、アリワンワンを使って
リアルタイムでいつでもお客さんの質問に答えたり、
在庫の確認をしたりすることができないお店は、
お客さんが寄り付かないからだそうです。

「淘宝網」に出店しているお店には
このアリワンワンのボタンが付いており、
お客さんは商品に関する質問があったり、
在庫があるか確認したいときに、
このボタンを押して出店者とリアルタイムで
やり取りをすることができます。

出店者がオンラインのときには

(はーうぉーりぃえんし、私に連絡してください)
というアイコンが点灯するのですが、
オンラインでないときには

(げいうぉーりゅーいぇん、メッセージを残してください)
という留守番電話のような状態になってしまいますので、
いつ返事をもらえるかわからないと感じたお客さんは、
同じものを売っている他の店に
逃げていってしまうのだそうです。

このアリワンワン、
パソコンの電源を落とすと当然ながらオフラインになり、
店のアイコンが、

に変わってしまいます。
それにも関わらず、「淘宝網」で
真夜中や土日に買い物をしても、
ほとんどのお店に

のアイコンが点灯しているのには驚かされます。
24時間365日、パソコンの前に座って
店番をしている人がいるんですね。
この点では営業時間が限られている実店舗よりも
労働条件はむしろ厳しそうです。

ネット販売でも、というか、
売り手の顔が見えないネット販売だからこそ、
リアルの実店舗での販売よりも
更にお客さんとのコミュニケーションを
密にして信用してもらわないと、
競争の激しい「淘宝網」では
生き残っていけないんですね。

商売の基本をシステム化した「淘宝網」、
本当に勉強になります。


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2010年4月7日(水)

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