第1175回
不動産価格は上がるが、家賃は下がる!?

前回、北京の「六環路」の外側の不動産価格が、
初めて1万元(13万円)を超えた、というお話をしましたが、
同じ北京市統計局の発表によれば、その内側は、
「六環路」と「五環路」の間が、1万1776元(15万3,000円)、
「五環路」と「四環路」の間が、1万7254元(22万4,000円)、
「四環路」の内側は、3万1220元(40万6,000円)
という結果でした。

「四環路」の内側で
100平方メートルのマンションを買おうとすれば、
4,000万円以上するわけですから、
場所と立地条件によっては、
東京でマンションを買った方が安いかもしれません。

中国は昨年、金融危機による景気の減速を経験しましたが、
一時の勢いはなくなったとは言え、
北京の不動産価格は下がるどころか上がり続けました。

私は2006年9月に上の
「四環路」沿いのマンションの写真を撮りました。
マンションに掛けられた垂れ幕を見ると、
2LDK、90平方メートルで90万元(1,170万円)ですから、
当時の価格は1平方メートル当たり
1万元(13万円)だったのですが、
この3年半で、値段が3倍に跳ね上がったことになります。

3年半で180万元(2,340万円)のキャピタルゲイン。
タイムマシンがあれば、当時の自分に
「写真なんか撮ってないで、すぐに買いなさいよ!」
と言ってやりたいところです。

これだけ不動産価格が上がってしまうと、
「四環路」より更に街の中心部に近い
「三環路」の内側に私が借りているマンションの家賃は、
ものすごい勢いで値上がりしているのではないか、
と思われるかもしれませんが、
おかげさまで今の家賃は7年前に住んでいたときよりも
逆に値下がりしています。

どうしてこんなことが起こるのか、というと、
北京では家を買いたい人はいくらでもいますが、
家を借りたい人は数が限られているからです。
このため、北京では不動産価格は上がり続けているのですが、
賃貸価格はそれほど上がらないか、
逆に下がる状態が続いているのです。


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2010年4月21日(水)

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