第1182回
愛人募集!1日2000元!

「愛人募集。愛人になってくれるなら
1日2000元(28,000円)の生活費を渡します。」

先日、こんな広告が
北京の中央戯劇学院に貼り出されました。
中央戯劇学院は国際派女優・
章子怡(チャン・ツィイー)などを輩出した
名門演劇学校です。

広告は貼り出したのは、自称
「宝くじで1380万元(2億円)を当てた」という
「80后(ぱーりんほう、1980年以降生まれ)」の男。
広告には、1.必ず同学院の学生であること、2.年齢18-22歳、
3.できれば江南地方(揚子江下流地域)出身など
7つの条件が書かれていました。

2000元と言えば今の中国の大卒初任給。
それを毎日もらえるわけですから、
2−3年も愛人をすれば、一般的なサラリーマンの
生涯賃金ぐらい稼げてしまいます。

しかし、これに対し、学院の関係者は
「学生と学校をバカにしている!」と怒り心頭。
多くの女学生も愛人募集に応募するどころか、
「自分が愛人募集のあった学校の学生である」
ということで、出演している広告のイメージに
傷をつけないか、という心配をしたとのことです。
また、ある法律関係者は、学校を侮辱したとして、
今後男が法的な責任を追及される可能性がある
と指摘しました。

拝金主義国家である今の中国では、
日本のITバブル期のように
「カネさえあれば何でもできる」
という風潮が蔓延しています。
そんな中、自分の将来の夢のために、
目の前にぶらさげられた1日2000元というエサを
いとも簡単に蹴飛ばした、
中央戯劇学院の女優の卵たちの行動は痛快です。

当の「80后」君曰く
「最近宝くじに当たり、愛人募集を思いついた。
普段なら絶対にできないすごい夢を1つ、
かなえてみたかった」とのこと。
普段、おカネを持ち慣れない人が、
いきなり大金を手にすると、
いかにくだらないことを考えるか、
というのがよくわかります。

「80后」君には
「カネの力を借りて女優の卵を愛人にしよう」
などという卑しい考えは捨ててもらい、
自分を磨いて、ぜひ、
女優の卵に心の底から惚れられるような、
立派な男になってもらいたいものだと思います。


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2010年5月7日(金)

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