第1287回
有望中国企業はメジャーリーグを目指す?

先月、米国のニューヨーク証券取引所に
優酷(よーくー、NYSE:YOKU)と一緒に上場した会社に、
B to Cネット販売大手の当当網(だんだんわん、NYSE:DANG)、
ITアウトソーシング大手の
軟通動力(るぁんとんどんりー、NYSE:ISS)などがあります。

優酷が「中国版YouTube」ならば、
当当網は「中国版Amazon」、
軟通動力は「中国版Infosys」です。
このように「中国版○○」と表現できるような、
アメリカ人にもわかりやすいビジネスモデルの会社は、
中国国内や香港で上場するよりも、
米国市場で上場した方が、
より多くのアメリカ人投資家の興味を引き、
より多くの資金が集められるのでしょう。

私たちは「中国株」というと、
ついつい香港のH株の中から探してしまいますし、
世の中に出回っている中国株の情報も
圧倒的に香港市場についてのものが多いのですが、
こうして見ていくと、将来有望な超優良中国企業は、
中国国内や香港ではなくて、
米国市場で上場しているように思います。
あたかも、日本のプロ野球で活躍した選手が
みんなアメリカのメジャーリーグに行ってしまうように...。

ということは、中国株に投資をしていて
香港市場の銘柄のみを選ぶ、ということは、
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の
日本代表選手を選ぶ際に、
メジャーリーグに行った選手を一切考慮せず、
国内12球団の選手の中からだけ
選んでいるようなものなのかもしれません。

もちろん、国内12球団の選手の中にも
すばらしい選手はたくさんいますし、
これから成長して大化けする文字通りの
若手成長株もいるかもしれません。
しかし、長い歴史を持つ米国の株式市場で
外国企業であるにも関わらずアメリカ人投資家に
高い評価を受けている銘柄は、
やはり相当の実力を持つ
有望銘柄と見ても良いのではないでしょうか。

もし、時代を遡って上場当初の「Google」や
「Amazon」、「Infosys」の株が買えるとしたらぜひ買いたい、
と思う方はたくさんいるのではないかと思います。

「中国版○○」の彼らが今後、
本家のように順調に業績を伸ばし、
株価を上げていくかどうかは保証の限りではありません。
しかし、中国株に投資されているみなさんは、
香港市場の銘柄だけではなく、
将来有望な超優良企業が多い米国市場の中国株も、
投資対象として研究をされてみてはいかがでしょうか。


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2011年1月5日(水)

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