第1298回
北京〜上海新幹線、いよいよ6月に開通!

北京〜上海間の中国版新幹線がいよいよ、
今年6月から営業を開始するようです。

先日、中国の劉志軍鉄道相は、全国鉄路工作会議で、
北京〜上海を結ぶ旅客専用高速鉄道(中国版新幹線)が
今年6月半ばまでに営業運転を開始すると発表しました。

同線は既に開通している
北京〜天津間と合わせて全長1318km。
この距離は東京〜鹿児島中央と
同じぐらいの距離なのだそうです。
2008年4月に着工して、
当初は2012年に開通予定でしたが、
金融危機克服のために打ち出された
4兆元(50兆円)の大型景気対策の後押しを受けて、
計画より1年以上早い開業となりました。

同線には日本の新幹線をベースにした
「和諧号(はーしえはお)」を最高時速350kmで走らせ、
今まで在来線で10時間かかっていた北京〜上海間を
半分以下の4時間で結ぶのだそうです。

この北京〜上海新幹線、
年間8000万人の旅客輸送能力を見込んでいる、
とのことですが、
問題ははたしてそんなにたくさんの人が乗るのか、
ということです。

現在、北京から上海に行くには
在来線だと10時間かかりますが、
飛行機だとその1/5の2時間で到着します。
そして料金は在来線だと二等寝台の硬臥が317元(4,000円)、
一等寝台の軟臥が478元(6,000円)なのに対し、
飛行機は空港使用料、燃料サーチャージも含めて
1020元(12,750円)と2-3倍かかります。

時間が1/5で料金が2-3倍だと、
会社のおカネで出張する人や、
ある程度のおカネを持っている個人は
時間を節約するために飛行機を選びますので、
現状、北京から上海に行くメインの交通手段は
飛行機となっています。

しかし、これが時間が1/2で
料金が2-3倍ということになれば、
上海に行くのに飛行機ではなくて
新幹線を選ぶ人も多いのではないかと思います。
今のところ、新幹線のチケットの価格は
まだ発表されていませんが、
在来線と同じぐらいの価格であれば、
勝機は十分にあるのではないかと思います。

日本では東京と大阪を結ぶ交通手段は、
完全に新幹線に軍配が上がり、
東海道新幹線はJR東海のドル箱路線となっています。

中国では新幹線は北京と上海を結ぶメインの交通手段の座を
飛行機からもぎ取ることができるのか。
はたまた、航空各社が値引きやサービスの向上で応戦して、
その座を守りきるのか。

どちらにしても、新たな競争の発生は、
私たち消費者にとっては大変ありがたいことです。
飛行機対新幹線の闘い。
料金の低下やサービスの向上に期待をしつつ、
その行方を見守っていきたいと思います。


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2011年1月31日(月)

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