第1330回
外貨兌換枠拡大による海外不動産投資ブーム

中国を悩ませる過剰流動性によるインフレ。

このインフレを引き起こしている大きな原因の1つが、
人民元が外貨に兌換可能な
ハードカレンシーでないことにあります。

現在の中国の金融市場は外界から隔絶された
密封容器のようなものです。
その密閉された容器の中で人民元が増えすぎて、
内部の圧力がものすごく高まっているのに、
その圧力を外に逃がしてやる手段がありません。

密閉容器の圧力を下げてインフレを退治する方法は簡単です。
中国の国民が人民元を外貨に換えて、
海外の資産に投資できるようにすればよいのです。

現在、中国では1人当たり年間5万ドル相当の人民元を
外貨に兌換して海外に送金することが許されています。
しかし、これは海外旅行や
海外留学している子供への送金を想定したものであり、
年間5万ドルでは投資らしい投資はできません。

そこで、この枠を期限付きで10倍にして、
年間50万ドルにしてみたら良いのではないかと思います。
年間50万ドルの外貨があれば、
海外の不動産に投資ができます。

現在でも香港や日本、
カナダやオーストラリアなどの不動産マーケットには、
大量のチャイナマネーが流れ込んでいると言われていますが、
これらのチャイナマネーは海外との取引があり
最初から外貨を持っている人か、
もしくは、違法な手段で人民元を外貨に兌換した人が
投資したものであると思われます。

しかし、人民元を年間50万ドル相当、
合法的に外貨に兌換できるようになれば、
今までのブームとは比べ物にならないぐらい大きな
中国の投資家による一大海外不動産投資ブームが
起こることが予想されます。
なぜなら、中国の投資家にとっては、
50年とか70年の定期借地権付き建物よりも、
一度買ってしまえば永遠に所有権が自分のものとなる
海外の不動産の方が
資産として魅力的であると思われるからです。

そうなれば、中国はインフレが収まると同時に、
不動産価格も適正なレベルにまで下落して一石二鳥ですし、
投資してもらう国にとっても経済が活性化し、
高齢化社会を乗り切るための
財源を確保することができますので、
非常にありがたい話なのではないかと思います。

中国の外貨兌換枠拡大による海外不動産投資ブーム。
現在のインフレ圧力による中国政府の苦悩を見ると、
実現は時間の問題なのではないかと思っています。





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2011年4月15日(金)

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