第1380回
腐敗役人、恐るるに足らず!

役人の腐敗が激しい中国ですが、
これから中国で起業をしようとされている
日本人のみなさんに申し上げたいのは、
「そんなに怖がる必要はない」ということです。

確かに中国でビジネスをされている方はほとんど、
役人から小遣いをせびられた経験を持っていますし、
役人が本気を出せば中小企業の1つや2つ、
合法的に倒産に追い込むことなど
朝飯前であるのも事実です。

しかし、そんな中でも当社は
役人に倒産に追い込まれることもなく
もうすぐ10周年を迎えますし、
この10年間で役人が小遣いをせびりに来たのも
たったの2回です。

風邪をひいて、その風邪をこじらせると
肺炎になって死んでしまうかもしれないのが怖くて、
「生まれてこなければよかった」と思う人がいないように、
中国の役人の腐敗は中国で起業をしない理由にはなりません。
風邪をひいたら、肺炎になって死んでしまわないように
治せば良いのです。

私も10年間に2回と
「病歴」が豊富なわけではありませんが、
そんな数少ない経験から学んだ「風邪をひかないコツ」は
1にも2にも何しろ目立たないこと。
儲かっていそうで目立つ会社は腐敗役人に
「この会社が金づるになりそうだ」と
目を付けられてしまう可能性が高くなります。
ただ、お店を構えてのビジネスの場合、
目立たないと腐敗役人だけではなく、
肝心のお客さんにも見つけてもらえない、
という可能性はありますが...。

そして、運悪く「風邪をひいてしまった場合」は、
まずは、役人には絶対に逆らわないこと。
役人を怒らせてしまえば、悪いことは起きこそすれ、
良いことなど絶対に起こりません。
そして、表では全面的に服従する一方で、
裏ではその腐敗役人の上司につながる
「関係(ぐぁんし、人脈)」を必死になって探すのです。

こうした一連の「治療」は、
何も日本人が自分でやる必要はありません。
役人の扱いに慣れた信頼できる
中国人パートナーや中国人従業員という
「お医者さん」に任せるのが一番です。

こうした中国の人たちが得意な分野は中国人に任せ、
日本人は日本人にしかできない仕事をして
会社の利益に貢献する、というのが、
日本人が中国でビジネスを続けていくための
秘訣の1つなのではないかと私は思います。


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2011年8月10日(水)

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