第1505回
スマホを見ながら道を歩く人たち

高機能携帯電話・スマートフォン、通称スマホ。

日本では普通の携帯電話から
スマホに乗り換える人が増えていると聞いていますが、
ここ北京でも、街を歩いて注意して見ていると
スマホを持っている人が多くなり、
この半年で爆発的に普及が進んでいることがわかります。

スマホの普及は結構なことなのですが、
最近「危ないなぁ」と思うのは、
スマホを見ながら道を歩く人が増えていることです。

スマホは「高機能携帯電話」と呼ばれていますが、
実際はメールやウェブサイトの閲覧など
「超小型パソコン」と呼んだ方が良いような機能を備えています。
このため従来の携帯電話よりも
画面を長時間見る必要がある機能が多いにも関わらず、
今までの携帯電話と同じように
歩きながら使える携帯性があるばっかりに、
前を見ないで画面を見ながら歩く人が増えてしまっているのです。

中国の道は前を見て歩いていても、危険がたくさんあります。

穴が開いていても補修されない道。
信用できない信号。
おしゃべりに夢中になって
ぶつかりそうになってもよけない歩行者。
歩行者の前を横切ろうとする自転車。
時速30キロ以上で突っ込んでくる電動自転車。
そして、歩行者優先ではなく車優先であると
固く信じて疑わない自動車。

ただでさえ危ないのに、
そんな中を前を見ないでスマホを見ながら歩くなど、
自殺行為に等しいです。
今後、スマホの普及に伴って、
スマホを見ながら歩いていて交通事故に遭う
「スマホ事故」が増加することが予想されます。

また、私がスマホの普及で非常に懸念しているのは、
スマホを見ながら車を運転する人が出てくることです。

中国では車の運転中に携帯電話で通話しながら
片手で運転することは法律で禁止されています。
しかし、警察がほとんど取り締まりをしないため、
携帯電話で話しながら運転している人はたくさんいます。

携帯電話で話しながら運転するだけでも危ないのに、
これがスマホを見ながら運転する人が出てくれば、
目隠しをして運転をするようなものですから、
車は走る凶器と化します。

私も昔は音楽を聴きながら、とか、
テレビを見ながらという「ながら勉強」をしていましたので、
あまり偉そうなことは言えませんが、
人間、2つ以上のことに同時に集中するようには、
できていないのではないかと思います。

今後、スマホの普及による
「スマホ事故」を多発させないためにも、
中国は「スマホを見ながら歩かない」、
「スマホを見ながら運転しない」という
新しい社会のルールを作る必要が
あるのではないかと思います。





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2012年5月25日(金)

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