第1544回
中国の人たちにマネのできないことは何か?

最近日本では、ミャンマーやカンボジアなど、
東南アジアの新興国が注目されていますが、
その間にも中国に進出する日本企業は増加し、
中国でビジネスをする日本人も増え続けています。

中国は以前は「世界の工場」と呼ばれ、
世界の市場に販売するための
生産基地としての役割を担っていましたが、
人民元高、物価の上昇、人件費の高騰などにより、
生産基地としての競争力は低下、
その代わり国民所得の上昇により、
地球上に残された最大且つ最後の巨大市場としての
存在感がますます増してきました。

それに伴い、中国に進出する日本企業も
製造業からサービス業へ、
大企業から中小企業へと裾野が広がってきています。

ただ、巨大市場を狙っているのは
地元・中国企業も同じです。
特に、一部の中国企業は、
良いモノやサービスを見つけるとすぐにマネをして、
本家よりも安い値段で提供を始めます。

こうした中国企業との競争に打ち勝って、
中国市場で生き残っていくためには、
彼らとの差別化を図り、
彼らにはマネのできないモノやサービスを
提供する必要があります。

中国の人たちにマネのできないことは何か?

これは私が中国で起業してから10年間、
ずっと考え続けてきたことです。
そして、突き詰めて考えてたどり着いたのは、
「サービス精神」、「生真面目さ」、
「完璧主義」、「チームワーク」など、
日本人なら誰でもが持っているはずの
日本人の特長でした。

こうした日本人の特長は、
中国の人たちには簡単にマネができませんし、
例えマネができたとしても中国の人たちが
「面倒臭くて、そんなことまでやってられるか!」
と思うレベルまで高めれば、
日本人が中国で自らを差別化して活躍する余地は
まだまだ残されているのではないかと思います。

「サービス精神」、「生真面目さ」、
「完璧主義」、「チームワーク」。

これらの日本人の特長は、
日本人がたくさんいる日本では
当たり前すぎて武器にはなりませんが、
こうしたことをマネができない中国の人たちの中では、
これらの特長は俄然輝きを放ち始め、
差別化をするための強力な武器となるのです。


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2012年8月27日(月)

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