■柳田洋・北京からの画像便り No.271 ■


糖尿病食品専門店

糖尿病の人が食べる食品を専門に扱う店です。
中国は貧しくて食うや食わずの時期が長く続きましたので、
中国の多くの人たちの頭の中には
「お腹いっぱい食べたい!」という強い欲求が
プログラムされているように思います。
これが最近になって急激に豊かになり、
食べたいものは何でも食べられるようになったのですが、
頭の中の「お腹いっぱい食べたい!」という
プログラムは昔のままであり、
中国は今、必要以上にたくさん食べてしまう
飽食の時代を迎えています。
また、お金持ちになったことにより、
今まで自転車で会社に行っていた人が、
マイカーで通勤するようになり、
運動をする機会もめっきり減っています。
食べ過ぎで運動不足、とくれば、
当然の帰結として糖尿病の人が増えます。
北京市では糖尿病の患者が80万人もいると言われ、
発病率も10年前の2倍になっているそうです。
それだけの大きなマーケットがあれば、
糖尿病患者だけをターゲットとしたビジネスも
十分に成り立ちます。
糖尿病の患者が増えるのは
決して良いことではありませんが、
糖尿病食品専門店の出現は、
中国が糖尿病の患者が大量に発生するぐらい
豊かになっていることの証左なのです。

撮影日:2007年12月16日(日)
撮影:柳田洋


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