■柳田洋・北京からの画像便り No.286 ■


間違った日本語の教科書

中国で売られている日本語の教科書です。
日本語学習者用の教科書というよりは、
日本に旅行に行く人が持って行って、
とっさの時に使うような教科書ですので、
3段目の漢字の羅列を中国語読みしたり、
4段目のローマ字のピンインを読んでいくと、
なんとなく日本語が話せてしまう、というものです。
日本人がカタカナで英語や中国語を
勉強するような感じでしょうか。

それは良いのですが、こうした簡易教科書は
書かれている日本語が正しくない場合がよくあります。
上は「おなかが痛いんです」なのですが、
「おはかが痛いんです」になってしまっています。
ま、これは実際の場面でお腹を押さえながら、
「おはかが痛いんです」と言われれば、
「ああ、おなかが痛いのね」とわかります。
しかし、下の「おなかが、ころした」は穏やかではありません。
お腹を押さえながら苦しそうに、「おなかが、ころした」と言われたら、
本当は「おなかをこわした」だけなのに、
殺人事件かなにかに巻き込まれたのかと勘違いしてしまいそうです。

街の看板やレストランのメニューなどで
間違った日本語が書かれているのは
ある程度仕方がないのかもしれませんが、
少なくとも日本語の教科書は、
本当に日本語のできる人に書いてもらいたいものです。
日本で変な日本語を話す中国人がいたら、
それは本人が勉強していないわけではなくて、
本人はきちんと勉強しているのに、
元々の教科書が間違っているせいかもしれません。

撮影日:2008年4月7日(月)
撮影:柳田洋


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