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9.我愛しの旧天地 2
今週も我愛しの旧天地です。
旧天地は旧フランス租界のエリアの中にあり、
租界時代に建てられた
石庫門のオールドハウスの集合住宅がたくさん並んでいます。
この建物が独特の風情をかもし出し、
更に住民の生活も身近な光景も手伝って、
多くの観光客がその雰囲気を味わいに来ています。
このエリアは泰康路という道沿いにあり、
写真の「田子坊」と書かれているのは、
奇人として知られた中国の古い画家の名前を
そのままこのエリアのメインストリートの名前に利用したものです。
一般に観光客はこのエリアを泰康路や田子坊と呼んでいます。
旧天地という名前は、邱先生が命名したものです。
上海の現在の一番の観光地といわれている
「新天地」という場所があるのですが、
新天地は新しくできた建物を古く見せています。
それと比較して、
以前からある建物をそのまま改装し利用しているこの場所は、
まさに古い新天地であり、
今後私たち邱グループが
このエリアの多くの発展に貢献したいという意味を込めて
「旧(邱)天地」と命名いたしました。
邱先生らしいなんともいえないセンスのいいお洒落な名前ですね。
さて、旧天地ははじめに著名な画家であった陳逸飛氏や
他にも有名なアーティストがスタジオを構え、
その後、多くのアーティストやアートディレクターなどが
ギャラリーやデザインオフィスを作るようになりました。
それが3年前から多くのカフェ、お土産屋、
服装店などの物販のお店が出来始め、
この一年は加速度的に増加しています。
観光地として発展することは私にとっても嬉しいことですが、
中国の過去の偉大なアーティスト達が作った
アートの発信地ではなくなってきていることは残念なことです。
しかし、来年の6月にまず地下鉄が開通され、
上海万博までには近辺に大型ビルができる予定で、
先生のおっしゃっていた、
10倍の観光客が来ることが現実的になってきています。
ますます発展していくことが楽しみなこの旧天地で、
今日も日本のファッションをお客様に提供していくことで、
改めてアートやカルチャーを発信していくことに
貢献が出来たらと思っています。


2008年10月15日

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