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15. 想いそして理念 その1

ここまで読んでくださった方はもう少しお感じになっているかもしれませんが、
私はとても理屈屋ですし、とんでもない理想家です。

まあ、言葉を変えると頭でっかちなわけです。
それゆえにここ中国に来て失敗したことはとても多いですし、
また、別の理由として、日本的感覚ゆえに失敗したと痛烈に感じたことも多々あります。
最もそれを痛烈に感じたのは開業後ですが、
それは追々ご説明差し上げることにします。

さて、私はこれから新しい企業を作っていくわけですが、それに際し、
「企業経営においてもっとも大事なことは何か?」
ということをしばらく考えていました。
何をするにおいても重点や要点というものがあります。
たとえば、昔私がテニスクラブでコーチをやっていた時はこんな風にレッスンをしていました。

「テニスのスイングには3つの要素がありますね。」
1.テークバック(準備) 
2.インパクト(当たる瞬間) 
3.フォロースルー(フィニッシュ) 
「さあ皆さんもっとも大事なのは何だとお思いですか?」
「・・・?」
「そうテニスでもっとも大切なのは、インパクト、そう当たる瞬間です。
いくらきれいに準備できても、いくら最後の形がきれいでも
当たる瞬間のラケット面の角度がわるければ、
ボールはとんでもない方向にとんでいくのです。」

さて、皆さん企業経営で最も大切なものはなんだと思いますか?
次の図を見て考えてみてください。

(クリックで拡大)

企業の経営活動、というよりなんらかの活動を行うには常に3つの要素が付きまといます。
もっと簡単に言いましょう。
皆さんがちょっとした旅やハイキングに出かけるとしましょう。
出発にあたって知っておかなければならないことが3つあります。
1. 今わたしはどこにいるのか?(現在位置)
2. 目的地はどこにあるのか?(目的への方向感)
3. どれぐらいのスピードですすめるのか?(進む速度→ どれぐらい時間がかかるか)

企業活動も同じです。
今どこにいて、どこにたどり着きたくて、どれぐらいのスピードですすめるのか?
ということさえわかっていれば道に迷わずにゴールにたどり着くことができます。

さて、再びお聞きしますが、この3つの要素のうちもっとも大切なものは何でしょうか?

方向感です。
企業活動において
1. 現在位置とはこれまでどれぐらいの経験があるのか、
  もしくは目的にどれぐらい近いのかということを意味しています。
  したがって、経験があればあるほど、ゴールに近いことになります。
2. 進む速度は、その人、もしくは組織全体の能力です。
  この能力が高ければ高いほどゴールに達する速度や時間が早くなります。
3. 方向感とは、私は価値観だと読み替えています。
  つまりある事象に対したときどのような判断をするのか、
  すなわち二者択一の際、どちらの道を進むのかということです。

私が企業活動において、もっとも大切にするのが、この方向感、
すなわち価値観や理念という言葉で置き換えられるものです。
だから、私は新しい企業をスタートする際、
この理念と価値観から整理することにしたのです。

具体的には、こんな風にはじめました。
(次回に続く)


2007年7月2日(月) <<前へ  次へ>>