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97.貧乏のはなし(貧乏サンカク)

今週は貧乏の話をしたいと思います。
貧乏自慢をさせたら私もなかなかのものです。

26歳で中国留学から帰ってきた私の個人総資産額は3000円でした。

子供の頃、私は一通りの贅沢をさせてもらいました。
長男で親戚も多かったことから、お年玉もたっぷりもらって、
20歳のころには、数百万の預金残高があったものです。

それが、持ち前の計画性のなさと、
留学ばかりを繰り返す生活でどんどんなくなり、
ついには、3000円になったわけです。

そもそも、私は自分の計画性のなさを
まったく悪いと思ってなかったし、
行き当たりばったりな人生を粋なものとらえていたのです、以前は。

中国の大連留学から帰国する際も、
「さあ1年たったから帰国しよう。」と思ったはいいが、
財布には、人民元200元(3000円)しかなく、
韓国までいくフェリーのチケットも買えなかったぐらいです。
その後、テニスを教えて小銭を稼いで、いき絶え絶えになりながら、
韓国につき、親父のクレジットカードで現金を引き出し、
航空券を買って日本に帰ったのです。

日本について、早速銀行にいってみると、銀行残高3000円。
それ以外のお金はまったくなかったのです。

おかげで、当時3300円した散髪もできなくて、
弟に髪をバリカンでかってもらったことを今でも忘れません。

貧乏サンカクといって、
貧乏をすると3つものを欠くという言い方があるようです。

1.義理を欠く
2.人情を欠く
3.恥を欠く

の3つだそうですが、その3000円しかなかった当時、
大親友の一人から電話がかかり、
「結婚式、ぜひ出てくれよ。」と声がかかり、
「おー、そりゃいいね。絶対でるから。」
と威勢よく電話を切った後、
お祝儀が払えないことに気づき、泣く泣く
「いやー、実はな〜、その日どうしても出席できなくて・・・」
と電話を折り返したことがあります。

その時の情けなさ、義理を欠く自分へのやりきれなさ、
そして、金がないことの恥ずかしさ。
いろいろな感情がおりまざって、とにかく嫌な思いをしたものです。

“貧乏は恥ではない。貧乏を恥じることが恥なのだ。”

というのが私の思うところですが、
いやいや、それでも貧乏はやらないにこしたことはなさそうです。

そんなことをふと考えている今週です。


2009年1月26日(月)

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