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139. コーヒーと豚は仲がいい

コーヒー農場で豚を飼いたいといいましたが、
それにはわけがあります。

ちょっと専門的になるかもしれませんが、
農作物を育てるのに必要な3大栄養素は、
窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)の3つです。
Nは体を大きくするのに役立ち、Pは根をしっかり張るのに役立ち、
Kは実を大きくするのに役立ちます。

私たちの農場では、今でも有機肥料を使っていて、
ヤギと鶏糞を発酵させたぼかし肥料というやつを使っています。
しかし、鶏糞が60%前後と比率が高く、
また鶏糞は主に窒素が多いため、
窒素の比重が大きくなってしまいます。
そこで、豚さんのウ○チを拝借できると、
そこには、リンとカリウムがしっかり含まれているのです。
もちろん、直接糞尿を与えると作物には強すぎるので、
メタン発酵というやつをさせて、きつい成分を取り除いてやります。
その際に、エネルギー源となる、メタンガスが発生します。
こいつがまたエネルギー源としては結構使えるやつなんです。

ところで、育った豚さんは、私がやっている焼肉屋さんで
お客さんの胃袋の幸福感向上に貢献してもらおうと思っています。
自分たちが育てた有機豚なら、私を含めて本当に安心して、
そして自信をもって食べてもらうことができると思うのです。

もちろんこんな話は、
循環型農業の本をめくればどこにでも出ている話ですから、
特別なことではないのかもしれませんが、それを
1)この雲南の奥地でやること、
2)コーヒーに対する最適化をおこなうこと、
そして、
3)なるべく金をかけずにやること、
で特別な意義が出てくると考えています。
3番目は特に大事なのですが、金をかければ誰にでもできるし、
どんな設備でも買えます。
でもそれでは他の人が真似ができない。

これから我々がやることは、
自分たちだけが儲かればいいのではないと思うのです。
しっかりとそれを立ち上げ、
地域に受け入れられやすい農法を開発し、
そして、地域に植えつけていく。

ここ保山は、今後ますます
コーヒー面積が拡大する方向にあるようです。
その中で、我々が先駆的に先進的な農法を行い、それを普及させ、
地域全体を豊かにすることができると考えているのです。


2009年11月23日(月)

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