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138. 豚を育てたい

雲南の奥地である保山に行って
感動したことはたくさんあるのですが、
非常に身近な「利」から言えば、黒豚を発見したことです。

今回の旅ではたくさんの偶然がありました。その中の1つが・・・

私たちのコーヒー加工場の裏に、美しい池があります。
それは、泰族の人々が代々守ってきた生活用水を確保する場所です。
泰族はもともと水のあるそばに住み着き、
その水を守ることを民族の使命としているようです。
そして、われわれはコーヒー豆を洗うのに、
その大切な水を使わせてもらっています。
(ちなみに、その水で飲むコーヒーはどれだけおいしいだろうか?
と想像するとちょっと興奮しちゃうのです。)


その池を案内してくれたのは、
うちの加工場で働く泰族のナンさんで、
帰り道に「家ちょっと見ていく?」と気軽に誘ってくれたのです。
実は、もう帰りに飛行機の時間が少しずつ押していたので
目的のない行動はやめようかと思ったのですが、
―常日頃の経済合理性を中心とした行動規範からすれば
見に行かなかったのですが
―すっかり雲南の暖かさにほだされていた私は、
「そうだね、せっかくだから見に行こうか。」
と見に行ったのでした。

泰族の民家はとても素朴でした。
家の中をーとっていも何もないのですがー見回すと、
暗闇の中に動物がいました。
いくつかの色がついていたので
最初はなにかわからなかったのですが、よく見ると豚でした。

しかも、ずっと探していた黒豚!

「あっ、黒豚がいる。」

私が住む四川省も豚の産地ですが、
どうやら黒豚は少ない(もしくは供給が不安定)ようで、
おいしい豚をお客さんに提供したいと
ずっと黒豚を探していたのです。

それが、偶然にも保山の泰族の家にいた。

農業の専門家であり
コーヒー加工場を管理するわが社の田代さんに聞けば、
コーヒー農園で豚を飼うのは大変合理的らしい。

詳しくは、次回以降に書きますが、
循環型農園づくりには豚がいいらしいのです。

コーヒーの木が必要な有機肥料や堆肥を、
人間と豚のし尿からつくり、またバイオガスを発生させる。
バイオガスの発生のさせ方も、
先ほどの田代さんがキューバかどこかで学んだらしいので、
どうやらできそうだ。

あ〜、なんだか、農園がさらに面白いことになりそうだ。
と心弾ませたのです。

まずは、コーヒー農園で豚を数十頭飼うことから始められないかな。
今度お師匠と相談してみよう、と思っています。


2009年11月16日(月)

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