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270.辞めさせてなんぼの人材育成

今後、事業が発展していくためには、
前述の店舗展開ピラミッドに応じて、
まずは直営店舗を30ぐらい作って、
その過程でとびっきりのブランドと、
人材と、管理の仕組みをつくっていきます。

それを作るイメージはもうできています。

そして、管理の仕組みと同時に
展開の仕組みもつくらねばなりません。

一般的にフランチャイズということになるのでしょうが、
その前に社員の独立システムをやりたいな、と思っております。

ですから、対外的なフランチャイズと
社員独立システムが
今後の展開の数量的な展開の二本柱になります。

気をつけなければならないことはたくさんありますが、
1つは、事業の簡素化。
元社員ならいいほうですが、もうフランチャイズなんていったら、
我々と同じことができるわけがない。
だから、とにかくオペレーションやらなにやら、簡素化して、
誰にでもできるぐらいの形をつくらないといけない。

社員独立の方は、
これはこちらでいろいろと考えなければいけない。
資金の問題、
本社との法律的な関係性の整理、利益配分の問題等々。

でも、私が何より気をつけなければいけないなと思っているのは、
社員独立が耳触りのよいツール化することです。

こういった、アイディアはどの会社にもありますが、
社員受けがいいために、
経営者としても安易に言いたくなるものです。

「可愛い社員を独立させてやりたい。」

というなんともヒューマンな響きの良い言葉に、自己陶酔しながら。

しかし、本当はそんな感情的な施策がうまくいくはずもなく、
厳しすぎるぐらいの仕組みをつくっていかなければなりません。

一人の若い人間が経営者で独り立ちするには、
たくさんの事を勉強体験し、痛い思いをしなければなりません。

そういった過程をすっ飛ばして、
「お前も3年頑張ったからな。」と独立をさせれば、
あっという間に失敗する事は目に見えています。

だから、経営者に必要な体験を、
コンパクトに高速に経験させるシステムとストーリーが必要になります。

違う話に聞こえるかもしれませんが、
邱永漢曰く「稼いで半製品、使って完成品」がお金ですが、
「雇って半製品、辞め(独立)させて完成品」
というのが人材じゃないでしょうか。

そういう意味では、世の中の経営者のほとんどは
半製品しかつくってないことになります。
従業員に迎合することなく冷徹な目で
社員を独立させて行く方法を、具体的に考え始めたところです。


2012年6月4日(月)

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