トップページ > 絶世美人便り > バックナンバー

   毎週金曜日更新
59.ココロ大事
海外に住んでいると外国人として暮らさなければなりません。
いつも中国人を理解することに注意を払っていながら、
好奇心旺盛な中国人から「日本人ってどんなだ?!」
という強い視線をかなり感じます。

中国人は「利に聡い」なんてイメージがありましたが、
公衆の場で触れ合う中国人の人々は「義に厚い」人たちです。
特に弱者に対して救いの手を差し伸べて、
助け合う習慣が身についていると思います。

私の公共の場といえばバスです。
つい最近、私が慣れないバスに乗って
「どこで降りればいいですか?」と車掌さんに聞きました。
車掌さんは「多分ココだよ」と教えてくれたのですが、
周りにいる人が「いや、ここのほうが近い!」と切り出し、
「いやこっちだ!」と相談者の私抜きで、
熱く議論を開始しました。
これは収拾がつかないなぁと困りましたが、
正直親身になってくれて嬉しかったものです。
年配の方がバスに乗ってくると、
かなり高い確立で若者が席を譲ったり、
そばにいる人がお年寄りに席を譲りなさいと言葉をかけ、
放っておく人がいません。
彼等は思いやりの気持ちをストレートに表現するのがうまくて、
気持ちよいなと感じます。

一方、バス停では「横はいり」が横行していて、
マナー違反の人が大勢いて玉に瑕ですが、
日本人というと公共の場ではマナーがダントツよいですね。
しかし、日ごろ会社組織で損得勘定を徹底しているからか、
表面上のマナーはよくても、
「余計なこと!?」があまりできません。
席を譲れなんて言ったら、
「相手が突然キレて、殴られでもしたら・・・」
とまず思えてしまいがち。
いろいろ考えを巡らせ、思いやりもある日本人ですが、
ココロが相手に伝わらなければ意味がありませんね。
北京、東京、同じ首都でもこうも人間が違うんですね。

日本人は裕福な人が多いし、日本製品やマナーの良さ、
勤勉さなど尊敬される点が多いのは確かです。
でも表現力のある中国人社会では、マナーだけじゃなくて、
ココロを表せなければ本当の意味で尊敬されないことを
肝に銘じている今日この頃です。

<つづく>
絶世の活動情報 : www.zessei.com


2009年3月6日

<<前へ  次へ>>