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87.遠慮できる人、出来ない人
多くの中国人スタッフと仕事をしてきましたが、
良い意味でも悪い意味でも
正直に意見を良く言う」人が多いなと感じます。
その場で納得しないと、仕事に精彩を欠くことがあります。
与えられた仕事をまず全うしてみる、というよりは、
その場で納得しないと気がすまない人が多いようです。
だから会社の方針を全ての人に行き渡らせるのに
とても骨が折れます。

それに関連して、邱先生のもとで働いて、
自分に足りないと感じたのは「遠慮」でした。

私の2年以上も前の、
今でも恥ずかしい邱先生との一場面です。
先生を囲む8人の食事の席。
丸い中華テーブルに料理がならんでいて、
「邱家の料理」の中でも私が大好きな「唐揚げ」が回ってきて、
思わず自分のお皿にたくさんの唐揚げを盛ってしまいました。

あとから邱先生に
一番後に料理をとる人のことを考えている?
遠慮のない人だと思われるよ
」とたしなめて頂きました。
他ならぬ邱先生のお言葉だったので、
その時から「遠慮」という言葉が頭から離れませんでした。

今では言葉のごとく「遠くを慮ること」と理解していて、
中国では、リーダーシップに関していえば、
遠慮がものをいうケースが多いのではないかと感じています。

これは我らが絶世健美のパートナーであり、
現代漢方の第一人者の王振国先生から聞いたことなのですが、
中国大陸はとても広くて気候も変化に富むので、
例えば、暖かい南に住んでいた人を
研究所がある北の「長白山」に配属させたい場合は、
そこは冬になると零下10度にもなるので、
当人の限界を考えて、まずは上海、次に北京、
そして長白山という風に配属させるのだそうです。

国家プロジェクトも扱う漢方の研究チーム、
そして何十という病院を経営する人の仕事は
こんなに丁寧で思慮にあふれ、
こうして人を導くのか、と感銘を受けました。

私などは、スタッフに指示をだして、
それがうまく仕上がっておらず、
大変がっかりするという繰り返しをして来たのですが、
これは相手にばかり期待していて、
遠慮のないことだったと反省することが多いのです。

今思うと、当時そういう雑で思慮の足りなかった自分を
邱先生に見抜かれていたのかなと思っています。

中国では「今を乗り切る」という
短期的な発想も不可欠なのですが、
そこを抜きん出て、人心をひきつけ、
リーダーシップを発揮するのは、
仕事はもちろん、人に対しても
「遠慮」を払うことだと自分なりに言い聞かせています。

<つづく>
絶世の活動情報 : www.zessei.com


2009年9月18日

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