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94.中国のサッカー狂

先週末に北京の自宅周辺を散歩していたことです。
車のクラクションが相変わらずうるさいなあと思っていたら、
それが一定のリズムを打っていて、さらに歩いていると、
体育館に続く大通りが人に埋め尽くされ、
人々が大勢大声でわめいています。
驚いた事に、警察隊が暴れる若者数名を警棒で打ち付け、
拘束しています。
それを大勢の人が囲んで、興奮一杯の雰囲気です。
車も壊されています。何かのデモだろうか、
日本人とばれたらヤバいんじゃないかと、
相当に恐怖心にかられました。

ふと、人々のTシャツや旗をみると、
北京のサッカーチーム「北京国安足球倶楽部」のマーク。
そのチームがたった今リーグ優勝し、
それに興奮したファン達が帰り道で騒いでいるのだと判りました。
人の迷惑も顧みぬ姿になんて野蛮なんだと憤りもしましたが、
サッカーで興奮しているだけのこと。
なんてことない、どの国でもあることです。
もう少し散歩を続けると
「最近こんなに大声をだしたかな?」
「気持ち良さそうだな」と羨ましくなり、
さらに、道路が予定されていない突発的なパレードで
封鎖されるようなことが多めにみられている社会も
ある意味で精神衛生上よいな、とも思いました。

それにしても、あんなに発狂しているのだから、
普段大変に違いないじゃないかと思います。
中国では「豊かさ」の価値観が蔓延していて、
お金のない人には目が痛い国です。

喫茶喫飯とは、仏教の言葉で
「お茶がでたらお茶を、ご飯がでたらご飯を頂く」
という風に、何事にもとらわれずに
人生をありのままに楽しむ心の境地だそうです。
王先生を囲む会でも「病気の半分は身体、もう半分は精神から」
という話がありました。
なんやかんやら些細なしがらみに縛られていはしないか、
サッカー狂をみて考える良いきっかけになりました。

<つづく>
絶世の活動情報 : www.zessei.com


2009年11月6日

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