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148. 密輸品

先日、携帯が半年して使用したばかりで壊れてしまいました。
購入したショップでは「水貨だから」という理由で
修理補償外と無料修理を断られました。

「水貨」(しゅいふお)とは
中国語で関税や正規代理店を通さないで販売される商品のことです。
関税抜きなので価格が安い、
中国で未販売の商品が手に入るという特徴があります。
むかしむかし密輸品は海外から船で運ばれ、
貨物を箱に入れ密封し、港から近い海に沈められました。
そして、あとで小船にのって取りに行くのです。
水中に沈んだ商品なので「水貨」と呼ばれるようになりました。

運び屋は香港などの免税政策をとる国や
国内未発売の商品を販売している日本やアメリカに買い付けに行き、
大陸に持ち込むので、巷に水貨があふれています。
一緒に働くスタッフの半数以上は水貨ケータイを使っています。

中国大陸では人気のアイフォンやアイパッドの発売が遅かったので、
待ちきれないユーザーや販売店は
香港やアメリカなどから運び屋をつかっていち早く入手しました。
さらに、価値が高まる人民元の恩恵もあり、
インターネットで海外から商品を購入する人がとても増え、
国内ネット市場の成長を大幅に上回る成長を見せています。

ところが最近、中国海関総署(通関当局)は
海外で購入した商品で5000元以上するものは、
品物によって10%〜50%の関税課税の徹底を通達しました。
既に、香港から持ち込まれるパソコンに20%関税がかけられ、
海外で買い物を楽しむ人に水を掛けるようなことがおきています。

免税政策の香港と大陸間は自動車で往来できることもあり、
これまで水貨の流通量の多さは異常だったのです。
そこを取り締まるのは頭では理解できますが、
こんなに厳しかったら、
水に沈めてまで密輸したい人の気持ちが良く分かりますね。

これから、水貨が減り、大陸で買えるものは
大陸で買ったほうがよいという傾向になるかもしれません。
中国政府の主要な収入源である関税増にもなるし、
国内の正規販売店の利益にもなり、
国内市場がその分盛んになるのでしょう。
国家や会社が富むだけでなく、中国で働く人にも
利益が分配されるようであれば大賛成なのですが・・・。

絶世の活動情報 : www.zessei.com


2010年11月19日

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