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180.アジアのデザイン美

先日、川崎和男さんという世界で活躍する
デザイナーの講演が北京で開催されました。

ちょっと前ですが、オシャレなメガネに注目が集まった、
アメリカの政治家サラ・ペイリンさんの
メガネのデザイナーとしても注目を集めました。
話を聞かない手はないと思い、講演を拝聴してまいりました。

講演主催は、北京日本文化センターという、
中国の方々に日本に対する理解を深めてもらうための
活動をしている機関で、中国の方ばかり100名で会場は一杯。
一同同時通訳の声に耳を傾け話に聞き入っていました。

川崎氏は東芝時代に工業デザインで活躍していたときに、
交通事故で重度の怪我を負い、いまでは車椅子。
それから、デザインというのは、
商品を売るためのものという考えだったのが、
考えが180度変わったといいます。

中国には、「身外之物」(しぇんわいじーう)という
唐の時代からある考えがあります。
身外之物とは、財産など体以外の物のことを指しますが、
これが重要なのではない、という意味です。

川崎氏は、デザイン性のある商品は
限られた人の嗜好品であるという考えを改め、
身外之物だけを扱うだけではだめだ、
身体の中にもデザインを取り込もうという発想を得てから、
人工心臓や貧困国で使われる
ワクチン注射(麻薬注射に転用されないデザイン)など
人命に貢献するデザイン、設計にかかわられています。

最後に質疑応答の時間があったのですが、
最初に無言になるのは日本と同じなのですが、
工業デザインに従事する人、デザインを勉強している人、
マスコミの人から、次から次へと質問が飛び出し、
20個くらいの質問に川崎氏が丁寧に応答されました。

「私のデザインの師は、
敗戦後にアメリカにデザインを勉強しにいった第一世代です。
その先生が今は北京の大学で工業デザインを教えています。
今回私がここに呼ばれたのも、私の師との縁があったからです。
これからはアジアの時代。お互い助け合って、
一緒にアジアの美を創り上げて行きましょう。」
と講義は締めくくられました。

川崎氏は人格的にも優れており、
会場のひとびともきっと高尚なデザイナーの理想に
感化されたと思います。
わたしも、絶世健美の仕事を通じて、
商品を通じ「健康な身体」や「若い心」を維持、
形成するのに役立つ仕事をしたいという思いを強くしました。


2011年7月1日

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