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220.拘りと妥協の両立

今日は幸運にも邱先生の88才の誕生日に掲載です。
この場をおかりして、
邱先生、お誕生日おめでとうございます。
これからもお元気に、中国で働く私どもに
ご指導ご鞭撻をお願い致します。

ところで私は所要で日本に一時帰国していました。
外国人の友人も一緒に東京に滞在していたのですが、
友人に日本の印象を聞くと、
ごみが少ない、街が非常に綺麗、英語の表示が多くて便利、
ウォシュレットのふたが自動で空いたのに感動したなど、
日本って特徴の強い国だなあと感じました。
私も中国から日本に一時帰国するたびに、
ルールを守る日本社会の住み易さ、
日本にしかないような拘りの商品などに感動して、
やっぱり日本はいいなあと癒されます。

ところが、邱先生を頼りに日本から中国に移ろうとしていた時分、
これほど日本の良さを満喫できていたでしょうか。
むしろ息苦しさを感じていたことを思い出します。
日本のような成熟され、ルールが出来上がった社会に暮らすと、
一方で何か犠牲にしているものがあるのではないか。

改善を重ね、高付加価値がつけられ、
それがいったん良いと認められると、
日本国中でブームになるような国は他にはないと思います。
妥協を許さず、理想型を創りだす日本。
一方、中国にいると、あらゆる方面で
「これでいいや」と妥協点を見つけないと
やってゆけないケースが多いです。
あれだけ多くの人口を抱えた国ですから、
いろいろな人間がいるからです。

そういえば、ずいぶん前に蓮舫議員がスパコンの開発で
「二位じゃだめなんですか?」と言った、
言わないという議論がありました。

私は以前日本メーカーに勤めていたのですが、
技術者は自分のもつ技術を発揮して売れる商品を作ろうとします。
それで面白いものが出来るのですが、
日本のように何でも新しい機能の商品が受ける土壌は
中国や多くの国にはないと思います。
この商品はこの程度の予算でこの程度の品質のものでいい、
という割り切りがあるように思います。
日本は技術で経済が成り立っているので、
蓮舫さんは強い反発を受けたのは当然と思います。
しかし、蓮舫さんが言いたかったのは、
「何でもかんでも追求しすぎると、自分の首を絞めて大変だ」
ということではないかな、と自分なりに受け止めました。

仕事で手を抜けないのは日本人の美徳です。
これでいいのだ、と自信をもって、
折り合いをつけることは簡単にみえて難しいですが。
自分を追い込みすぎてしまう人には、
どこかで妥協や息を抜く事が大事だ、と
中国から日本に帰って来て考えました。

絶世の活動情報 : www.zessei.com


2012年3月30日

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