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16.映画でみる雲南

昨年、日本で「単騎、千里を走る」という雲南省を舞台にした
高倉健主演の映画が公開されました。
中国映画界の巨匠、張芸謀監督による親子の絆を描いた作品ですが、
雲南省の美しい自然や文化を背景に、笑いあり、涙ありの素晴らしい映画でした。
この映画をきっかけに、雲南に旅行に行く日本人も増えたと聞きます。

そして今年もここ雲南省を舞台にした映画が
日本で公開されるようです。
「ルオマの初恋」という
ハニ族の少女の恋を描いた2002年の映画で、
ユネスコ世界自然遺産に申請している
元陽という美しい農村を舞台にしています。
元陽は、山岳地域で生活するハニ族が
山の急斜面に作った幾段にも連なる棚田が幻想的な景色を醸し出す、
素晴らしい景勝地です。
そして民族衣装をまとったハニ族の人たちが、そこで農作業に勤しんでいる姿がまた
何とも言えず心に沁みるのです。
今や世界中のカメラ好きが集まる屈指の撮影スポットで、
巨大望遠レンズ付カメラを抱えた旅行者が連日訪れています。

この「ルオマの初恋」、僕はまだ見ていないのですが、
日本では6月16日から公開されています。
(東京写真美術館ホール他、全国順次公開)

もうひとつ雲南を舞台にした日中合作の映画が2008年に公開予定です。
「さくらんぼ」というタイトルで、やはり元陽の棚田で暮らす夫婦と
その子育ての物語で、人の温かさや愛情いっぱいの映画のようです。

ここ数年、日本で雲南省を題材にしたテレビ番組も
時々放送されているようですね。
この広い中国で雲南が比較的多く
映画やテレビの題材として取り上げられるのは、
もちろんその息を呑むような
景観の美しさもあるでしょうが、
少数民族の素朴さや純粋さも
大自然に負けないほど美しく、彼らの清らかな姿が見る人の心を打つからだと思います。

僕もまたコーヒー産地の少数民族に、
違う意味でしょっちゅう打ちのめされていますが、
まあそれはあまり突っ込まないでおきましょう。


2007年6月29日 <<前へ  次へ>>