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28.宝の山は保山にあり!?

保山市の総人口は約245万人(市街地は約10万人)で、
省内の16の行政区の内、8番目に人口の多い区域ですが、
一人あたりのGDPは省11番目(2005年度)というあまりパッとしないところです。
邱公館のコーヒー農園から市街地までは車で1時間半かかりますが、
昆明市からは飛行機で40分強と交通の便は非常に良くなっています。
「保山」の中国語の発音が「宝山」(バオシャン)と全く同じなので、
邱先生も気に入られて、コーヒーの商品名に「宝の山」と使用してきました。

それじゃあ保山市は何があるの?
と良くいろいろな人から聞かれるのですが、毎回う~ん、と考え込んでしまいます。

市街地に限って言えば、何も無い・・・
とお答えするしかありません。
中国のあちこちにありそうな諸葛孔明の奉られた「武候祠」や洞窟の中に仏像が寝転がっている「臥佛寺」等、名勝古跡もあるにはありますが、わざわざお勧めするような所でもありません。
美味しい名物料理などもなく、
超グルメの邱先生が保山にいらしたときに、
お連れできるレストランが全く無いのが、非常に頭の痛い難題でした。

町のささやかな楽しみは、時々見かける今は懐かしきチンドン屋です。
飲食店の開店告知等をしていますが、
20人くらいで皆ものすごく嫌そうに演奏しながら歩いていくのが、微笑ましくて好きです。
あとは、タクシーの市内運賃が一律たったの3元(50円弱)というのが、
ちょっとした自慢話になるくらいでしょうか(最近メーター制になりましたが)。
ところどころに古い町並みが残っていて、地域の歴史を感じとれる場所もありますが、
最近はどんどん開発が進み、古い建物が次々と消えていっています。

先日飛行機の中で、いろいろとお世話になっている副市長とばったりお会いし、市内まで車でご一緒したのですが、「町中の開発すごい勢いですね。出張から戻ってくる度に町が新しくなっていますよ。」とお話したところ、渋い顔をして首を横に振っていました。何か変な事言ってしまったかな、と思いそれ以上突っ込むことができなかったのですが、副市長は今の状況に決して満足しているわけではないことが良く分かりました。

これといった産業もない(と思われる)市内に、五つ星ホテルや大型商業施設、
マンション・別荘区等、ハード面をどんどん作っていっても、
ソフト面はどうするのだろう?と、少々気になっていたところです。

僕たち民間企業による産業振興で、地域を活性化させていくということが、
今後必要になってくるかもしれませんね。


2007年9月21日 <<前へ  次へ>>