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33.雨上がりの憂鬱

鬱陶しい雨季がやっと終わり、コーヒーの収穫期が始まりました。
僕にとってはこれからが日焼けシーズンです。
毎年1月頃までが一番黒く焼けているので、
産地の農民だと間違われることが多くなります。
そんな時は、「その通り。僕は高級コーヒーを作っている高級農民ですよ。」
と言っておちゃらけるのが、パターン化しています。

今年は降雨が少し多めで、一部の農作物にはあまり良くなかったみたいですが、
雨の少なかった昨年や一昨年に比べると、
コーヒーの結実になかなか貢献してくれたようです。
しかし、土壌が肥沃なので雨が降ると、コーヒー農場にもすぐに雑草が生い茂ります。
夏はずっと雑草とのいたちごっこでした。
僕たちは農薬を一切使わないので、雨が止んで地盤がある程度しっかりしてきたら、
近くの農民を動員して一斉除草します。
しかしすぐに雨になり、除草した傍から生命力溢れる雑草たちが
にょきにょきと生えてきます。
しかし一説には、害虫が雑草についてくれるので、
コーヒーの樹の防虫に効果があるとのこと。
そういえば、今年はバッタ等の被害が少なかった気がします。
雑草と上手に付き合っていく方法を考えても良いかもしれませんね。

邱公館の農場は、ほとんどが東向きの山の斜面にあります。
この斜面は、午後の強い日差しを避け、
谷底から吹き上げてくる風が農場の空気循環を良くし、
コーヒーの樹にとって非常に居心地の良い環境となっています。
しかし大量の雨は地面を侵食するため、土砂崩れが心配です。
除草作業でも土を削るので、農場の斜面が少しずつ変形していきます。
除草した雑草で地面を覆い、保水や有機肥料として利用すると同時に、
土砂の侵食を食い止めています。

また降雨の直後にカンカンに晴れたりすると、樹に残っている雨水が急速に蒸発し、
その勢いで葉や実が焼けてしまうことがあります。
雨季の後半に特に多く、コーヒー豆の品質や光合成に悪影響を与えてしまいます。
その防御のためにも、直射日光を妨げるマンゴー等のシェードツリーは重要です。

雨季の湿気は、コーヒーの葉につく雑菌の繁殖を加速させます。
この菌は風に運ばれて空気感染したり、
人の衣服等に付着して伝染するので、非常に厄介です。
周辺の一部農場ですでに蔓延しているので、僕たちもかなり慎重に注意しているところです。

自然を相手に作物を育てる農業は、自然に逆らわずいかに共生していくかが、
長い付き合いをしていくコツだと思っています。
僕も、コーヒーの樹や土の気持ちが分かるようになればいいなあ、
等とよく妄想するようになりました。


2007年10月26日 <<前へ  次へ>>