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52.日本人の“心”の故郷

雲南省に観光で訪れる人の中に、リピーターの方を良くお見かけします。
そういう方々は、やはり雲南に何か特別な思い入れのある方が多いようで、
「日本人は雲南から来たんじゃないかな。」
という話も良く耳にします。

納豆やもち米、こんにゃく、麹酒などの食文化、
草履や下駄、高床式住居などの生活様式、
稲作、焼畑、鵜飼い等々
どれも雲南省で見ることのできるもので、
日本文化との共通点が多く指摘されています。

そして、これらの独特な文化が集中している
雲南省を中心とした周辺諸国を含む一帯を、
照葉樹林文化圏と呼んで、
日本人のルーツはここだ!
と発表されている方もいるようですね。

実際、日本人のルーツには多くの説がありますが、
日本人と漢民族のDNAは大きく異なるのに対し、
北方から南下してきたといわれる雲南省土着の人たちのDNAは
日本人のそれと非常に近いものがあるようです。

数千年前に長江周辺に住み着いていた
百越(多民族の総称)と呼ばれる人々が、
漢民族のルーツと言われる畑作牧畜民族の南征により土地を追われ、
一部の人たちは雲南省や貴州省、周辺の東南アジア諸国へと移動し、
また一部は長江を下って日本や台湾へと渡った、
という説があると何かで読みました。

僕は詳しいわけでも執着があるわけでもないので、
これ以上追求する気はありませんが、
日本人と雲南地域の人たちとのルーツは同じだ、
と言う事はできるのかもしれません。
そして、そういったDNAレベルで、
雲南省にカタルシスを感じられる方もきっといるのでしょうね。

実際には、遺伝子がどうのという話ではなく、
雲南省のゆったりとした雰囲気や、純朴で陽気な人たち、
明るく元気に働く農村の女性や子供たち、
のどかで美しい原風景と美味しい空気。
ひと昔前の日本では、きっとごく当たり前だった日常が、
ここ雲南では今でも身近に感じることができる、というところが、
日本人の心に染みる最大の理由なのでは、と思っています。


2008年3月21日 <<前へ  次へ>>