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39.日本人、どうしてそんなに謝るのが好きなの?

読者の皆様、こんにちは。
最近にみる日本のニュースや新聞を見ていると、
なんだか鬱陶しくなるのです。

「◯が不祥事!!」
「またでた偽装食品!?」
「北京オリンピック、本当に大丈夫?」
「◯◯が失態!」

こんなトピックスばかりです。
このような記事やニュースがあまりにも多過ぎやしませんか? 
私がとやかく言う必要もありませんが
こんな事は今に始まった事では無く、
ずっと昔からあった事なのでしょうが
報道メディアの過激なやり方はあまり好きではありません。

そもそも、ニュース番組を見ていると
会社の経営陣全員が「この度は・・・・」
と頭を下げているのが例です。
悪い事・不祥事で頭を下げるのは当然ですが
どうして報道メディアはここぞとばかりフラッシュを光らせ
番組で何度も同じシーンを放送するのでしょうか?
そんなに人が謝る所が見たいのでしょうか(笑)

少なくとも私は誰かが誰かのあげ足を掴み、
それに対して人が謝っているのを見るよりも、
なにか他の明るい話題をニュースに期待したいものです。

ある日、うちのレストランでこんな事がありました。
お客さん(日本人)
「あのスタッフ(うちのサービス員)は一体なんなんだ!?」
と声を荒げているのです。
すっ飛んで帰って来たうちのスタッフからすぐさま事情を聞きだし
お客さんの所へ駆けつけて、
事情を説明する事になったのですが
お客さんはそれでも納得いきません。
そのお客さんの言い分はこうです。

お客さん
「頼んだ物はこれなんだけど、肝心の商品名の商品が入っていない!
それをうちのスタッフに問いただしているのに、
うちのスタッフは間違っていないの一点張りで
レストラン側の非を認めないとは何事だ!!
素直に間違いを認めて謝ってくれればいいんだよ、
謝ってくれれば!!」

と、こんな具合です。
理由はどうあれ、
お客さんからは謝ってほしいと言われる難しいケースですが
一先ずここは
「謝って貰いたいというお客さんの意見を尊重し、
頭を下げた方がスムーズだ」
と判断し一度しっかりと謝った後に、
ちゃんと事情を説明して事無きを得ましたが
後でうちのスタッフからこう言われてギクッとしました。

スタッフ
「塩山さん、なぜこちらは間違えていないのに
頭を下げる必要があるの?
うちの商品はあれで間違いないのに、
それじゃー間違いを認めているのと一緒じゃない!」

こう言ってくるのです。
こちらでは
非を認めるイコール自分がどんな大罪でも受け入れますよ。
と言っているのと同じだから
間違っていなければ決して謝ってはいけない
という暗黙の了解があります。
お客さんにしてみれば、
謝ってもらうだけでいいとの思いでの発言だったのでしょうが。。。

こう書くと、
さも中国人は謝らない人種だと早合点してしまわない様、
最後に説明させて頂きます。

誰にでもミスは当然あります。
それは当然、中国人だって分かっています。
私もそうですが、日本の感覚で平気で謝罪しろ、ミスを認めろ、
詫びを入れろと言って要求するのは
あまりスマートではないと思っています。
言い訳は見苦しいとされる日本ですが、
もしこちらで今回の様な事例でミスをした場合
「これははどうしたの?」
と問いかけてみて、
彼らの言い分(言い訳)を聞いてあげる事も必要ですね。
何分、100%言葉が通じる訳ではありませんから、
自分の価値観だけで物事を判断して
あなたは今しがた失敗したのだから謝ってくれ
という優越感には浸りたくないものです。

私と今働いてくれているスタッフ、
お互いが理解しあえる環境を作り、
ベストな職場を作ってあげたいのは山々ですが、
まだまだ時間が必要です。。汗

おわり


2008年9月10日(水) <<前へ  次へ>>