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22.邱公館の苗作り 〜其の二〜
2.発芽した苗の鉢上げ

コーヒーは発芽後、順調に育つと毎月1対の葉を大きく開き
空へ空へとグングン成長をしていきます。
コーヒー畑への定植は
雨季が本格化する5月中旬から6月中旬の1ヶ月間。
定植は発芽してから約1年後になります。
つまり11対の葉がある苗を定植するのです。

しかし、初めて雲南に足を踏み入れた時に出会った地元の苗は、
どれも葉が小さく4対ほどで
高さも20cmぐらいしかありませんでした。
明らかに根づまりと肥料不足です。
地元の鉢上げの方法は、畑の表面を軽く耕した後、
その土を小さなビニール袋に詰め、
発芽した苗を畑の窪みに直接並べていくというものです。
肥料も一切与えていませんでした。
事実、地元のやり方で窪地に苗を並べると
乾季の水管理が楽になります。
ところが雨季に入ったとたん苗が水没し
病気が蔓延するという問題を抱えていたのです。

2008年の4月に保山にやって来た私たちの最初の仕事は、
栄養失調になった7000本の小さな苗を救出することでした。
亜熱帯地域の雑草の成長速度は猛烈で
予定の7月に定植しても育たないのは明らかでした。
鉢上げ用の袋を替えるにも代用品が見つからず
保山市内の園芸市場と資材市場を探し回りました。
スタッフに苗を修正することを伝えたものの半信半疑。
「試してみよう。」
と粘りに粘りようやく作業が始まりました。

まずは、土作り。
農場の山土をごろ土と細かい土にふるいにかけ仕分け。
ごろ土は鉢上げ用の底土にし、
細かい土は砂とパーチメント・
手作りの有機肥料・炭・微生物を混ぜあわせ
保湿力のある排水性のいい用土にしました。
スタッフにも土の性質を理解してもらえるように
勉強会を開きました。
4本のペットボトルそれぞれに

1.従来の土
2.篩っていない山土
3.砂
4.新しい苗用土

を詰め、一定の水を同じスピードで入れ
排水性や保湿性・材料の配分による違いを
目で見て理解できるよう比較実験。
スタッフの予想を覆す結果に
興味と感嘆のどよめき声があがりました。

袋が小さすぎて根が絡みあい成長の妨げになっている事や、
対処方法も畑で覚えていってもらいました。


2010年5月5日(水)

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